記帳代行とは?記帳代行で業務効率アップを目指すための5つのこと
経理の業務として記帳は煩雑で細かな作業ですが、「記帳代行」という言葉をご存知でしょうか。
会社の経営者や経理担当者の中には、記帳業務が負担に感じている方はいらっしゃるのではないでしょうか?
現在、記帳業務には、「記帳代行」というサービスが展開されています。
これは、経営者や経理担当者の負担を大幅に軽減してくれるサービスです。
記帳代行を利用するのにあたり、「良い点悪い点は何か」「注意しなければいけないことあるのか」など、気になるところではないでしょうか。
今回は、「記帳代行」とは何なのか詳しく解説したうえで、
- 記帳代行のメリットデメリット
- 記帳代行を依頼する際の注意点
について解説します。
あわせて、
- 記帳代行を依頼する業務
- 記帳代行を頼むなら誰に依頼すればよいか
などについても解説します。
記帳代行について詳しく知ってもらい、記帳代行を依頼しようとしている方のための参考になれば幸いです。
税理士にご相談頂いた方がよい可能性があります。
お気軽にべリーベスト税理士事務所までお問い合わせください。
1、記帳代行とは
記帳代行とは、いったいどのようなものなのでしょうか。
本章では、そもそも記帳業務とはどのようなものかを説明したうえで、記帳代行の業務内容について、わかりやすく解説します。
(1)そもそも記帳業務とは?
記帳は、日々の売上や仕入れの金額、経費の支払いなど各種取引内容を帳簿に入力する業務です。
申告書を作成したり、経営状況を把握したりするために重要な役割を果たしています。
従来、事業所得などの合計金額が300万円以下の白色申告者は、記帳する義務がありませんでした。
しかし、平成26年から、全ての白色申告者にも記帳と帳簿類の保存が義務付けられました。
会社法においては、帳簿書類等の保存期間は10年間とされています。
会計帳簿は10年間保存し、会社法に定めがない領収書や請求書は、7年間保存しておく必要があります。
(2)記帳代行は帳簿業務の代行サービス
「記帳代行」とは、どのようなサービスなのかを解説します。
記帳代行は、(1)で解説した「帳簿作成業務」を代行するサービスです。
記帳業務が義務付けられたことにより、利用者が増えたサービスといえます。
事業を行っていると、帳簿を作成する作業が必ず発生してきます。
しかし、記帳業務を行うためには、経理の知識を身につける必要があり、作業が煩雑です。
記帳代行を利用することで、自社の業務量が大幅に削減できます。
経理担当者がおらず経営者が自ら経理をやっている場合や、忙しくて経理業務に手が回らない場合に、記帳代行は有効なサービスです。
記帳代行の主な業務範囲は、次のようなものが挙げられます。
- 記帳
- 請求書発行
- 振込
- 給与の計算
- ファイリング
- 売掛金・買掛金管理
- 現金管理
- 口座管理
2、記帳代行のメリット・デメリット
前章では、記帳代行の概要について解説しました。
本章では、記帳代行を利用するメリットおよびデメリットを紹介します。
記帳代行を利用するには、メリットとデメリットをしっかりと理解しておくことが重要です。
(1)記帳代行のメリット
記帳代行を利用するメリットとしては、次のようなことが挙げられます。
- 業務効率向上
- コスト削減
- 作業の正確性やスピード
①業務効率向上
記帳をはじめとした経理業務は、煩雑な作業が多く時間を使います。
記帳代行を依頼することで、経理に割く時間を大幅に短縮することができます。
経理に割く時間を、その他の業務に充てることで、業務の効率化を図ることができるでしょう。
②コスト削減
記帳業務をしてもらうために経理担当者を雇おうとすると、人件費等のコストがかかってきます。
記帳代行を依頼することで、経理担当者を雇用するための人件費の負担を低減させ、大幅なコストカットに繋がることが、最大のメリットです。
③作業の正確性やスピード
作業の正確性やスピードも、記帳代行を依頼するメリットの1つです。
記帳代行を請け負っている業者は、実務経験が豊富なので迅速かつ正確な帳簿作成が可能になります。
正確な経理をすることにより、正しい経営判断にも繋げることができるでしょう。
(2)記帳代行のデメリット
対して、記帳代行を利用するデメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 経営状況が把握しにくい
- 自社の経理ノウハウは育たない
①経営状況が把握しにくい
記帳代行を依頼すると、自社の経営状況が把握しにくいというデメリットがあります。
自社に経理担当がいないため、経理データを閲覧するのに時間が掛かる場合があります。
記帳代行を依頼する場合は、こまめにコミュニケーションが取れるかどうかを考慮して、依頼すると良いでしょう。
②自社の経理ノウハウは育たない
記帳代行を依頼すれば、経理業務専門の担当者は社内に必要ありません。
そのため、社内で経理について深く理解している者がいないということに繋がりかねません。
社内で経理の知識や技術といったノウハウが蓄積されていれば、経理担当者が変わってもスムーズに引き継ぐことができます。
しかし、記帳代行を依頼することで、自社でノウハウを蓄積することが難しくなってしまうことが、デメリットの1つといえるでしょう。
3、記帳代行を依頼する際の注意点
記帳代行を依頼する際には、いくつかの注意点があります。
外部の業者に頼むわけですから、注意点を理解して依頼することが重要です。
記帳代行の注意点として、次のようなものが挙げられます。
- 違法業者に該当しないか
- 価格設定が適正か
- 信頼できる業者か
(1)違法業者に該当しないか
記帳代行業は、無資格でも行うことができるサービスです。
ただし、税理士資格のない記帳代行業者は「決算申告」が行うことができません。
「決算申告」は、税理士の独占業務であるためです。
税理士資格のない業者が作成した書類での決算申告は、違法行為になります。
税理士資格のない記帳代行業者が、「決算申告もやります」と謳っている場合、注意が必要です。
税理士資格のない記帳代行業者に依頼する場合は必ず、社内に税理士がいたり税理士が提携していたりするか確認しましょう。
(2)価格設定が適性であるか
記帳代行業者を依頼する際に、ホームページ等に記載されている金額だけを参考にして選ばないようにしましょう。
基本的に記載されている金額は、基本料金ということを理解しておきましょう。
「自分たちが依頼したい代行業務は、オプション料金が発生した……」なんてこともよくあります。
注意が必要なオプション設定されている項目は、以下のとおりです。
- 創業1期目は安い→2期目から料金が上がった
- 記帳代金の件数によって料金が変わる
初めに自分たちが依頼したい代行業務を伝えて、見積もりを出してもらいましょう。
最終的に契約内容に納得したうえで、依頼することが重要です。
(3)信頼できる業者であるか
記帳代行を依頼する際は、請求書や領収書、従業員の給料情報など、社内の重要な情報を預けることになります。
外部に重要な情報を預けるので、少なからず情報流出の危険があります。
そこで、信頼できる業者かどうか見極めることが重要です。
特に重要なのは、「コミュニケーション」です。
記帳代行業者によっては、実際に会わずに取引することもあります。
コミュニケーションを密に取ることで、現在の会社の経営情報などをいち早く知ることができます。
記帳代行業者へ社内の重要な情報を預けるわけですから、実際に業者の担当者と会ってみて、信頼できる業者かどうか確かめましょう。
4、記帳代行の依頼先
記帳代行を依頼する際に、どこに依頼すれば良いのかわからない方もいらっしゃると思います。
今回は、主な依頼先を挙げ、それぞれの依頼先のメリットデメリットを紹介します。
主な依頼先は、次のように挙げられます。
- 記帳代行専門業者
- 税理士
- 公認会計士
- クラウド会計サービス
(1)記帳代行専門業者
記帳代行専門業者は、「記帳代行」を専門としてサービスを提供しています。
①メリット
- 料金が安い場合が多い
- 記帳経験が豊富
- 業者の変更が容易
②デメリット
- 決算申告ができない場合が多い
- 税務の業務を取り扱っていない場合がある
- 節税対策にはならない場合がある
(2)税理士
記帳代行業者にはさまざまな種類がありますが、税理士に記帳代行を依頼するケースが多い傾向にあるでしょう。
税務のプロである税理士に依頼すれば、記帳代行のほかに節税対策まで行ってくれます。
①メリット
- 安心感、信頼感が高い
- 決算申告ができる
- 節税対策も依頼できる
②デメリット
- 料金が高い
(3)公認会計士
公認会計士にも、記帳代行を依頼することができます。
公認会計士のなかでも税理士登録している方には、税理士と同様に決算申告や節税対策まで依頼することが可能です。
①メリット
- 会計のプロ
- 大企業や上場企業の経理まで扱える
- 決算申告、節税対策が可能
②デメリット
- 料金が高い
- 税理士事務所と比べて数が少ない
(4)クラウド会計サービス
クラウド会計サービスは、記帳代行を丸投げというわけではありません。
領収証などの読み込みや銀行口座やクレジットカードを登録することで利用履歴を取り込み、取り込んだ明細を自動で帳簿付けしてもらえます。
クラウド会計サービスを利用すれば、日頃の経理業務に使う時間を大幅に短縮できます。
①メリット
- 料金を大幅に抑えることができる
- 口座やカードを登録すればあとは自動
- リアルタイムでいつでもどこでも数字が見られる
②デメリット
- 他の3つと比べて、自分でやることが多いため手間が掛かる
- 慣れるまで時間が掛かる
- 決算申告などは各自で行わなければならない
5、記帳代行を頼むなら税理士に依頼しよう
記帳代行の依頼は、税理士がお勧めです。
税理士に依頼するメリットとして、以下のようなものが挙げられます。
- 税務のプロが帳簿業務をしっかりサポート
- 各種税務申告を代行してくれる
- 記帳代行以外にも手厚いサポート
(1)税務のプロが帳簿業務をしっかりサポート
記帳業務には、経理・会計に関する知識が必要です。
税務や会計において、苦手意識がある方はいらっしゃるのではないでしょうか?
税理士に任せることで、経理業務を覚えるための時間や経理業務に使う時間、経理担当を雇う費用などのコストを大幅に抑えることができます。
煩雑な記帳業務は、専門知識を有する税理士に任せると安心でしょう。
(2)税務申告を代行してくれる
決算申告を始めとする各種税務申告には、税理士の資格が必要です。
税理士に依頼することで、税務申告の代行をしてもらえるため、自らが行う手間が大きく減ります。
記帳代行と決算申告を一貫して税理士に依頼することで、節税対策となることもあります。
(3)記帳代行以外も経理や税務について手厚くサポート
税理士に記帳代行を依頼すれば、領収書や請求書等を準備するだけで、適切に記帳業務を行ってくれます。
記帳代行以外にも、税理士に依頼することで経理や税務について、手厚いサポートが受けられます。
税理士なら、次のような相談が可能です。
- 税務相談
- 税務書類の作成
- 節税対策
- 資金調達
- 資金繰りのアドバイス など
まとめ
今回は、記帳代行について紹介しました。
記帳代行を利用することで、業務の効率化やコスト削減など、大きなメリットを受けられることがおかわりいただけたのではないでしょうか。
経理に時間を掛けず本業に専念したい方、社内の財務を正確に管理したい方などには、利用することをお勧めできるサービスになっています。
本記事が、記帳代行の導入を検討している方の参考になれば幸いです。
税理士にご相談頂いた方がよい可能性があります。
初回のご相談は無料ですので
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