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TAX&ACCOUNTING MALL税務調査交際費とは?指摘されやすい交際費の税務調査への準備・対策を知ろう
2021.5.19 / 更新日:2021.05.18

交際費とは?指摘されやすい交際費の税務調査への準備・対策を知ろう

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交際費とは

交際費とは、税務調査で、特に調査官が注目している項目です。
プライベートの支出との線引きが難しく処理を誤ることも多いため、否認されやすい項目です。

そのため、取り扱いの難しい交際費について、基本的な内容や税務調査におけるポイントを知っておくことが重要になります。 

この記事では、

  • 交際費の範囲とは
  • 交際費はいくらまで経費になるのか
  • 税務調査の準備と対策とは

など、経営者や経理担当者の皆さまが気になる点を解説していきます。

交際費を正しく処理することができれば、交際費に伴う税務リスクを軽減でき、税務調査が来たとしても、落ち着いて対応することができるでしょう。

ぜひ、最後までご覧ください。

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1、交際費とは

交際費とは

交際費は、取引先とのコミュニケーションや事業拡大の寄与のために支出する費用です。
例として、宴会や接待ゴルフ、お中元・お歳暮の購入などがあげられます。 

交際費として支出した費用は、「(2)交際費の損金不算入額」で挙げるものを除き、原則、全額が損金不算入となります。

本章では、交際費に含まれるものと含まれないもの、損金不算入になるルールなどについて確認しましょう。

(1)交際費に含まれるもの、含まれないもの

①交際費に含まれるもの

以下のものを税務上、「交際費」といいます。

交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの
引用:交際費の範囲と損金不算入額の計算(国税庁)

上記を言い換えると、「取引先や事業に関係のある者に対して支出する、接待などの費用」となります。

なお、「事業に関係のある者」には、自社役員や社員、株主も含むことに注意が必要です。 

具体的には、下記のようなものが交際費にあたります。

  • 取引先を接待(宴会、ゴルフなど)するための費用
  • 株主総会で出席者へお土産(菓子折りなど)を渡した費用
  • 取引先へ渡したお中元やお歳暮
  • 一部の従業員を対象とした宴会、慰安旅行

②交際費に含まれないもの

飲食や慰安にかかる費用すべてが交際費となるわけではありません。
以下の支出は、交際費から除くことができます。
参考:交際費の範囲と損金不算入額の計算(国税庁) 

―一人当たり5,000円以下の飲食費

「飲食その他これに類する行為(飲食等)のために要する費用」で、一人当たり5,000円以下のものは交際費から除外されます。

ただし、専ら自社の役員や従業員、親族に対する支出は交際費になります。 

交際費から除外するためには、以下の項目を記載した書類を保存しておきましょう。

  • 飲食等のあった年月日
  • 参加した人数および氏名、参加者との関係性
  • 飲食等をした会場名、支出した費用の額(領収書)など 
―福利厚生費とされるもの

「専ら」従業員の慰安のために行われる運動会や演芸会、旅行等のうち、通常要する費用は「福利厚生費」として取り扱います。
「専ら」とは、「大半の従業員を対象とする」という意味です。

一部の従業員を対象とした支出(管理職のみ対象の忘年会など)は、交際費に該当します。 

―広告宣伝費とされるもの

社名の入ったカレンダーや手帳、うちわなどを贈るために通常要する費用は「広告宣伝費」として取り扱います。 

また、不特定多数に対する宣伝を目的として支出する費用も、交際費には含まれません。

  • 抽選で一般消費者に賞品などを交付するために要した費用
  • 商品を買った一般消費者に景品を交付するための費用
  • 一般消費者にアンケートなどを依頼した際の謝礼 など

参考:交際費と広告宣伝費との区分(国税庁)

―寄付金とされるもの

金銭やモノを無償で贈与・供与するために支出した費用は「寄付金」となります。
交際費との違いは、「無償(見返りを求める)かどうか」です。

神社へ納めた祈祷料や日本赤十字社に対する寄付(いわゆる赤い羽根募金)などをイメージするとわかりやすいでしょう。 

寄付金の種類によって損金算入限度額が異なるため、注意が必要です。
参考:寄附金を支出したとき(国税庁) 

―会議費とされるもの

会議に関連して、弁当やお茶菓子などを用意するために通常要した費用は、「会議費」として取り扱います。 

あくまで会議に要した費用が対象であるため、名目が「会議費」であっても、実態が接待であれば交際費になります。

(2)交際費の損金不算入額

交際費は原則、全額が損金不算入とされていますが、資本金の額などにより一定の措置が設けられています。

本項では、資本金1億円以下の場合と1億円を超える場合のそれぞれについての措置について解説します。

①資本金1億円以下の場合

期末の資本金が1億円以下の中小法人(中小企業)は、次のいずれかの金額が損金不算入額となります(有利な方を選択適用)。

  • 交際費のうち、飲食等に要した金額の50%相当額を超える部分(※)
  • 事業年度中に支出した交際費のうち、800万円を超える部分

※専ら自社の役員、従業員又はこれらの親族に対して支出したものは除きます
参考:交際費の範囲と損金不算入額の計算(国税庁)

上記の「50%相当額を超える部分」とは、あくまで「飲食等にかかる交際費のみ」を指しています。

対して、「800万円を超える部分」とは飲食以外の交際費も含むため、適用時は注意が必要です。
参考:接待飲食費に関するFAQ(国税庁)

②資本金1億円超の場合

資本金1億円超の大法人(大企業)のうち、期末の資本金額が100億円を超える法人は、全額損金不算入となります。

それ以外の法人は上記①と同様に、

  • 交際費のうち、飲食等に要した金額の50%相当額を超える部分

が損金不算入となります。

2、交際費の税務調査に向けた準備・対策

交際費の税務調査に向けた準備・対策

(1)交際費が税務調査でよく見られる理由

交際費は、税務調査の中でも重点的にチェックされます。
「事業を運営するうえで必要な費用」と「プライベートで支出したお金」の線引きがあいまいなためです。

さらに、「1、交際費とは」で説明したとおり、交際費の定義や範囲は広範にわたるため、誤った会計処理をする可能性が高いことも注視される理由のひとつです。

(2)税務調査で指摘されやすいポイント

交際費について、税務調査で指摘されやすいポイントは次のとおりです。

  • 他の勘定科目に混じった交際費がないか
  • プライベートな支出を交際費としていないか

それぞれのポイントについて、具体的にみていきましょう。

①他の勘定科目に混じった交際費がないか

例えば、以下の支出などは、交際費として取り扱う必要があります。

  • 「会議費」としている、宴会にかかる支出
  • 「福利厚生費」としている、「一部の従業員」を対象とした慰安旅行にかかる支出

 税務調査で、交際費とするべき支出を「通常の会議費」や「福利厚生費」として処理していたことが判明した場合は、それらは交際費として扱われます。

交際費の損金不算入額が増えることによって、所得が加算され、納付する法人税額が増加するため、注意しなければいけません。

②プライベートな支出を交際費としていないか

一人社長の場合、友人・家族との食事や旅行が経費となっていないか注意しましょう。
例えば、「出張を兼ねて家族旅行をした」際の費用は、全額損金に算入できません。

役員の個人的な支出として判断された場合は、「役員への給与(役員報酬)」として取り扱われます。

役員報酬として取り扱わなければいけない場合、役員報酬に認定された額が損金不算入になるほか、役員報酬について源泉徴収が必要です。
役員個人の所得も増えるため、所得税も追加で課税されます。

消費税についても、非課税仕入れとなるため、消費税も追加とかなり手痛い目にあうことになります。

(3)税務調査に向けた準備・対策

税務調査の準備・対策は、まず日々の業務で起こす仕訳に注意を払いましょう。
勘定科目のみならず、支出の経緯や理由をしっかりと記録しておくことが重要です。

具体的には、以下のような記録を残してプライベートな支出ではないことを証明する準備をします。

  • 参加者との関係性、人数、氏名
  • 支出の理由、目的など
  • 会議であれば会議録など

費用の内容を把握し、調査官に整然と説明できるようにしておきましょう。
常日頃から備えておけば、税務調査を必要以上に恐れる必要はありません。

逆に、「必要な書類を紛失している」、「帳簿だけでの判断が難しい」とみなされた場合は、取引先などに事実関係を問い合わせる「反面調査」へ発展する可能性もあります。

反面調査にまで発展した場合、取引先からの信用を失う可能性もゼロではないので注意しましょう。 

3、交際費の判断に悩んだら税理士に相談しよう

交際費の判断に悩んだら税理士に相談しよう

前章まで、「交際費」と「交際費に関する税務調査」について、詳細に解説しました。

しかし、「これって本当に交際費に当てはまるのかな……」と悩む方も少なくないでしょう。

交際費の判断に悩んだら、税理士に相談することをおすすめします。
本章では、交際費について税理士に相談する具体的なメリットについて紹介します。

(1)交際費かどうかの判断に関するアドバイス

これまで説明してきたとおり税務調査では、

  • 福利厚生費や会議費の中に交際費が含まれていないか
  • 個人的な支出を費用処理していないか

などがチェックされます。

しかし、交際費と判定するか否かの線引きがあいまいな支出もあります。
判断が難しい場合は税理士に相談し、正しい処理をしましょう。

(2)記帳代行を頼めば他の会計税務処理に関しても安心

交際費の対応のほか、税理士の提供するサービスには記帳代行があります。
経理業務の人手が足りない場合や本業に集中したい際は利用してみましょう。

日常的な会計仕訳の精度が上がるほか、法人税や消費税にかかわる処理も確実に行ってくれます。

さらに、税務調査が入った時は、スムーズに調査へ臨むことができます。 

まとめ

今回は、交際費とはどのようなものかということを中心に、交際費に関する税務調査などについて解説しました。

交際費は、税務調査で必ずといっていいほど見られる項目です。

法人の規模が大きくなるほど交際費の額も増えるため、長期間にわたり誤った処理をしていると、多額の加算金を納付することにもなりかねません。
領収書のほか、支出の理由を記録しておき、税務調査に備えましょう。

また、交際費の範囲は広範にわたるため、調査官と納税者側の解釈が一致しないこともあります。

調査官への反論や交渉、支出の妥当性をアピールしたい場合は、専門的知識を持った税理士の力を借りることを検討してみるとよいでしょう。

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この記事の監修者

荒井悠輔
荒井 悠輔

税理士法人ベリーベスト 経営企画室シニアマネージャー
株式会社ベリーベストサポートオフィス 代表取締役
資格の大原税理士講座簿記論講師、
文化服装学院ファッション流通高度専門士課タックスアカウンティング講師を務める。
筑波大学大学院において、法人税法及び国際税務を研究し、修了。
現在は経営企画、セミナー、講師、論文・記事の執筆を中心に活動を行っている。