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TAX&ACCOUNTING MALL資産運用フリーランス(個人事業主)の最適な資産形成とは?小規模企業共済、iDeCo、つみたてNISAを徹底比較!
2023.5.30 / 更新日:2023.05.30

フリーランス(個人事業主)の最適な資産形成とは?小規模企業共済、iDeCo、つみたてNISAを徹底比較!

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会社員には退職金がある場合が多い一方で、厚生年金や企業年金に加入できない小規模企業の経営者やフリーランス(個人事業主)の方は、退職金制度がないため、老後の資金を自分で準備しなくてはなりません。

そこで、老後の資金を準備する方法としてよくあげられるのが、「小規模企業共済」「iDeCo(個人型確定拠出年金)」「つみたてNISA」の3つです。いずれも、“長期で積み立てるもので税制優遇もある”という似ている部分があるため、その違いがよく分からない、という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、特にフリーランス(個人事業主)の方に向けて、「小規模企業共済」「iDeCo」「つみたてNISA」の3つの積み立て制度の特徴と、そのメリット・デメリットについて、税理士法人ベリーベストが分かりやすく解説していきます。

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1、フリーランス(個人事業主)の資産形成のポイント

フリーランス(個人事業主)の方は、会社員と異なり退職金制度がないため、老後の資金を自分で準備しなくてはなりません。その資産形成のポイントは下記2点です。

 ①将来の備えになること

老後まで毎月積み立てを継続して資産形成できる制度を選ぶことはもちろんですが、人生の途中で急な資金が必要になることもあります。そのような万が一に備えて、積み立てているお金を途中で引き出せたり、一部解約もできるような積み立て制度を選んでおくことが肝心です。

②節税になること

毎月の積み立てをするにも、節税になる制度と、ならない制度があります。特に自ら確定申告するフリーランス(個人事業主)の方は、節税メリットのある制度を利用したいものです。

以上の2つのポイントを踏まえると、フリーランス(個人事業主)の老後資金を準備する積み立て制度としては、「小規模企業共済」「iDeCo(個人型確定拠出年金)」「つみたてNISA」の3つがおすすめです。

では、それぞれがどのような制度か1つ1つ見ていきましょう。

2、小規模企業共済について

「小規模企業共済制度」は、国の機関である中小機構が運営しており、小規模企業の経営者や役員、フリーランス(個人事業主)などのための積み立てによる退職金制度で、全国で約159万人が加入しています(2022年3月時点)。毎月1,000円から70,000万円の範囲で掛金を自由に設定でき、廃業時や退職時等に共済金を受け取ることができます。掛金は全額を所得控除できるので、高い節税効果があります。

  • 運営元:中小機構
  • 加入資格:小規模企業の経営者、役員。フリーランス(個人事業主)
  • 加入期間:長期
  • 掛金(月額):1,000円~70,000円
  • 運用方法:運営機関が運用
  • 掛金以外の手数料:なし
  • 税制上のメリット:掛金の全額が所得控除の対象
  • 途中解約:可能(但し、20年以下で解約すると元本割れする)
  • 受取方法:退職・廃業時に受け取り可能。受取方法、一括、分割、一括と分割の併用が可能
  • 受取時にかかる税金:所得税・住民税(退職所得控除または公的年金等控除の対象)
  • 貸付制度:あり

(1) 小規模企業共済のメリット

「小規模企業共済」のメリットは、以下の4つです。

①老後資金を貯めることができる

「小規模企業共済」制度の積み立てた掛金は、支払った期間に応じて、支払った掛金の合計額よりも多くの金額を受け取ることができます。よって退職金制度がないフリーランス(個人事業主)の方が、退職金の代わりや老後資金のために利用することが可能です。

②掛金拠出による節税効果がある

「小規模企業共済」制度では、確定申告の際に、毎年支払った掛金が全額所得控除の対象となるため、所得税・住民税の節税効果が見込めます。

③受取時の節税効果がある

「小規模企業共済」制度では、一括受取りの場合は退職所得扱いに、分割受取りの場合は公的年金等の雑所得扱いとなり、税制上のメリットがあります。

④契約者貸付制度が利用できる

「小規模企業共済」の契約者は、掛金の範囲内で事業資金の貸付制度を利用できます。低金利で即日借入も可能です。貸付利率は種類によって異なりますが年率0.9%~1.5%程度と低利となっていますので、積み立てをしながら、万が一に備えることができる制度です。

(2) 小規模企業共済のデメリット

「小規模企業共済」はメリットがある一方で、以下の注意点もありますのでご留意ください。

①加入期間が20年未満だと元本割れする

「小規模企業共済」を途中解約する場合は、20年(240ヵ月)以上掛金を納付していなければ、解約返戻金は元本割れしてしまいます。

②減額すると損になる

「小規模企業共済」の掛金の払い込みが困難になった場合等に「減額」をすると損をしてしまいます。その理由は、減額すると、その差額に相当する部分は、その後全く運用されないまま、共済金を受け取る時まで放置されることになるからです。

掛金の納付が困難になった場合、「減額」ではなく「掛止め」という制度がありますが、掛金は無理なく払い続けられる金額に設定するようにしましょう。

※「掛止めは」とは、所得がなくなったり、災害や入院等の事情によって掛金の納付が困難になった場合、6ヶ月間または12ヶ月間、掛金の納付をストップできるものです。

3、iDeCoについて

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は、確定拠出年金の一種で、任意で加入できる私的年金制度です。

自ら申し込み、掛金を拠出し、運用方法を選んで掛金を運用します。 その掛金とその運用益との合計額を給付として受け取ることができます。

  • 運営元:国民年金基金連合会
  • 加入資格:20歳以上60歳以下なら原則誰でも加入可
  • 加入期間:長期(基本的に60歳まで加入)
  • 掛金(月額):5,000円~68,000円(職業によって限度額がことなる)
  • 運用方法:加入者が運用商品を自ら選んで運用
  • 掛金以外の手数料:あり(加入・移管時手数料、加入者手数料、還付手数料、運用管理手数料)
  • 税制上のメリット:掛金の全額が所得控除。運用益も非課税。
  • 途中解約:原則不可(60歳になるまで引き出せない)
  • 受取方法:老齢給付金として原則60歳から75歳になるまでの間に受け取ることが可能。「一時金」として一括受取、「年金」として受取、「一時金」と「年金」を組み合わせて受取、のいずれかの方法による。
  • 受取時にかかる税金:所得税・住民税(退職所得控除または公的年金等控除の対象)
  • 貸付制度:なし

(1)iDeCoのメリット

「iDeCo」のメリットは、以下の4つあります。

①老後資金を貯めることができる

「iDeCo」は、老後の資金形成を目的としてつくられた年金です。60歳までは原則として解約や引き出しができないため、それがデメリットではある一方で、半ば強制的に老後資金を貯められる、というメリットもあります。

②掛金拠出による節税効果がある

「iDeCo」は掛金が全額所得控除されるので、課税所得が減り、当年分の所得税と翌年分の住民税が軽減されます。

③運用中の節税効果

「iDeCo」で掛金を運用した場合には、運用益が出た場合であっても非課税のため税金がかかりません。

④受取時の節税効果

「iDeCo」は受取時も一定額まで税制上のメリットがあります。原則60歳から「老齢給付金」として受取を開始でき、受け取る方法によって、「退職所得控除」や「公的年金控除」が適用されることにより、老齢給付金から一定の額を控除することができます。

(2)iDeCoデメリット

「iDeCo」はメリットが多い一方で、以下の注意点にもご留意ください。

①60歳まで引き出せない

「iDeCo」は老後の資産づくりを目的としており、資産をコツコツと長期で積み立てるものなので、原則として途中で引き出しはできません。

②中途解約できない

「iDeCo」は原則として中途解約もできません。受け取り開始まで運用を継続する必要があります。そのため、掛金は無理のない金額に設定しておくことが重要です。

③手数料がかかる

「iDeCo」の加入と運用には、新規加入時の手数料と、毎月の事務手数料、資産管理手数料、金融機関によっては運営管理機関手数料がかかります。手数料以上の運用益を出さないと、結果的に積み立てる資産がマイナスになってしまうため注意が必要です。

④受け取りには加入期間の要件がある

「iDeCo」の受け取りには、10年以上加入していなければならず、10年に満たない場合は60歳から受け取りができません。例えば、55歳から新規加入した場合は、60歳から受け取ることはできず、受取開始は8年後の63歳からとなります。尚、60歳以上で新規加入した場合は、加入から5年経過後の65歳から受給可能となります。

⑤元本割れリスクがある

「iDeCO」の運用は自己責任ですので、万が一元本割れしても補填はありません。また、受け取れるのはあくまで運用で得た金額の範囲内なので、公的年金のように一生涯の受給が保障されているわけではありません。

4、つみたてNISAについて

「つみたてNISA 」は、国が、長期・積立・分散投資を支援するために作った少額投資非課税制度です。年間40万円までの投資で得た分配金や利益が、購入した年から20年間非課税になります。

  • 運営元:金融庁・各金融機関 
  • 加入資格:日本居住の20歳以上(2023年以降は18歳以上)
  • 加入期間:特に期間の定めはないが、非課税期間は20年
  • 掛金(月額):年間40万円が上限
  • 運用方法:加入者が運用商品を自ら選んで運用
  • 掛金以外の手数料:あり
  • 税制上のメリット:掛金の所得控除なし。運用益は非課税。
  • 途中解約:可能
  • 受取方法:運用商品の売却(解約)によりいつでも引き出し可能
  • 受取時にかかる税金:非課税
  • 貸付制度:なし

(1)つみたてNISAのメリット

「つみたてNISA」のメリットは、以下の3つです。

①資産形成ができる

「つみたてNISA」は、少額から毎月コツコツ、長期での資産形成ができます。いつでも解約できるので、老後の資産形成だけでなく、住宅購入や教育資金、あるいは、急に資金が必要になった時に融通が利きます。

②分配金・運用益が非課税

通常、投資信託の分配金や売却益には20.315%の税金がかかりますが、「つみたてNISA」ではこの分配金や売却益に対する税金がかかりません。

③いつでも解約可能

「つみたてNISA」はいつでも解約でき、解約手数料や引き出し時の税金がかかりません。お金が必要になったときには売却(解約)することで、すぐに現金化できるため、急に資金が必要になった時の対応が可能です。

(3)つみたてNISAのデメリット

「つみたてNISA」は、「小規模企業共済」や「iDeCo」と比較したときに、以下のデメリットがありますのでご留意ください。

①掛金が所得控除の対象にはならない

「つみたてNISA」は、「小規模企業共済」や「iDeCo」と違って、掛金が所得控除の対象となりません。

②元本割れリスクがある

「つみたてNISA」も「iDeCO」と同様に元本割れリスクがあります。運用は自己責任ですので、万が一元本割れしても補填もありません。

5、小規模企業共済、iDeCo、つみたてNISA比較

ではここで、今までみてきた「小規模企業共済」「iDeCo」「つみたてNISA」の3つの制度を下記の表で比較してみましょう。いずれも一長一短がありますので、1つに絞ってもよいですし、複数に加入することも可能です。

大きく特徴をまとめると、

  • 老後資金を貯めたいなら、小規模企業共済とiDeCoがおすすめです。
  • つみたてNISAは途中解約可能なので、いざという時にすぐに現金化できます。
  • 小規模企業共済は低利の貸付制度が利用できますので事業資金を借り入れたい方には有効です。
  • 自分で金融商品を選んで積極的に運用益を狙いたい方はiDeCoとつみたてNISAがおすすめです。

6、小規模企業共済、iDeCo、つみたてNISAの手続き方法

「小規模企業共済」「iDeCo(個人型確定拠出年金)」「つみたてNISA」の申し込み手続きは、以下のURLから手続きのページにいくことができます。ぜひご活用ください。

  • 小規模企業共済の加入手続き

https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/entry/procedure/index.html

  • iDeCoの始め方

https://www.ideco-koushiki.jp/start/

  • つみたてNISAの始め方

つみたてNISA取扱い金融機関で申し込みすることができます。

https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20180126-1.html

まとめ

いかがでしたでしょうか?

この記事では、フリーランス(個人事業主)の方に向けて、「小規模企業共済」「iDeCo」「つみたてNISA」の3つの積み立て制度の特徴と、そのメリット・デメリットについて解説してきました。

フリーランス(個人事業主)の方は、老後資金以外にも、病気やケガにより働けなくなるリスク、訴訟リスク、取引先倒産リスクと、会社員に比べて個人で備えておくべきリスクが様々あります。それらについては、また別の記事でご紹介してまいります。

老後資金のリスクについてはこの3つの制度をよく検討し、ご自身にとって最適な制度で資産形成をはじめてみてはいかがでしょうか?

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