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TAX&ACCOUNTING MALL資金調達事業再構築補助金とは?サービス産業を救う補助金の6つのポイント
2022.1.6 / 更新日:2022.01.06

事業再構築補助金とは?サービス産業を救う補助金の6つのポイント

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事業再構築補助金とは、どのような補助金なのだろう……。

2020年から始まった新型コロナウイルスの感染拡大。
新型コロナの影響で、特に大打撃を受けているのが飲食業界です。
街中でも、閉店してしまった店舗を多く見かけるようになりましたよね。

飲食業などのサービス業をはじめとして、新型コロナの影響で事業の継続が難しくなってしまった企業を救うべく、経済産業省は「事業再構築補助金」を打ち出しました。

今回は、事業再構築補助金について説明したうえで、

  • 事業再構築補助金の補助額
  • 事業再構築補助金の補助対象経費
  • 事業再構築補助金の申請書作成のポイント

について、解説します。
あわせて、事業再構築補助金の特別措置である「事前着手承認制度」についても紹介します。

本記事が、「事業再構築補助金について知りたい」「実際に事業再構築補助金を利用したい」と考えている方々の参考になれば幸いです。

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1、事業再構築補助金とは

本章では、なぜ事業再構築補助金ができたのかなどの背景を含めた概要と、

  • 事業再構築補助金の申請条件
  • 事業再構築補助金の対象企業

について解説します。

(1)事業再構築補助金の概要

事業再構築補助金とは、2020年第3回補正予算にて、中小企業向けの補助金として新たに設立された制度です。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴っての事業転換や、感染防止に取り組む中小企業に対して、転換にかかる費用の3分の2を補助します。
1社当たり、100万~1億円を給付する補助金制度となっています。

事業再構築補助金の総予算は、業態転換支援には1兆円1,485億円を確保されており、最大200万円を支給する、持続化給付金のネクスト支援補助金の位置づけです。

持続化給付金が赤字補填の給付金に対して、事業転換補助金は、新たな取り組みを行う設備投資などを補助する補助金です。

以上のように、事業再構築補助金は、売上減少に苦しみながらも事業再構築に取り組む中小企業等を支援する補助金となります。
条件によっては、最大で1億円が補助されるという点や、1兆1,485億円もの大規模予算をもとに行われるという点でも注目されています。

①申請期間

2021年5月7日に1次公募が締め切られ、2次公募が同年7月2日に公募締め切りになりました。
しかし、3次公募が予定されています。
中小企業庁の「事業再構築補助金」のサイトによると、第4回公募を予定しているとのことですので、常に情報をチェックしましょう。

②申請方法

申請に必要なもの一覧はこちらです。

【申請時の主な添付書類】

  • 事業計画書(※1)
  • 認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書
  • コロナ以前に比べて売上高が減少したことを示す書類
  • 決算書
  • ミラサポPLUS「電子申請サポート」の事業財務情報
  • 海外事業の準備状況を示す書類(※2)
  • 従業員数を示す書類(※3)
  • 令和3年の緊急事態宣言による影響を受け2021年1~6月のいずれかの月の売上高が対前年(または対前々年)同月比で30%以上減少していることを証明する書類(※4)
  • 事前着手承認制度申請書
  • 宣誓書 など

(※1) A4サイズ、最大15ページで作成。補助金額1,500万円以下なら10ページ以内。
(※2)グローバルV字回復枠や、卒業枠でグローバル展開を実施する場合のみ必要。
(※3)緊急事態宣言特別枠の場合のみ必要。
(※4)緊急事態宣言特別枠では必須な書類。

申請は、「電子申請システムのみ」で受け付けています。

事業再構築補助金の申請には、原則GビズIDプライムアカウントの取得が必要です。
未取得の方は、必ず利用登録を行ってください。

同アカウントは、事業者情報の再入力の手間を省くため、採択後の手続きにおいても使用する必要があります。

詳しくは、事業再構築補助金の公式サイトのマニュアルに記載されておりますので、ご確認ください。

(2)申請条件

事業再構築補助金を申請するには、申請条件を満たさなければなりません。

申請条件は、以下のとおりです。

  • 売上が減少していること
  • 「事業再構築」に取り組んでいること
  • 事業終了後3~5年に付加価値額が増加が見込まれること

なお、以上は最低条件です。
自社企業が、申請条件を満たしているのか否かわからない場合は、税理士をはじめとする専門家に相談しましょう。

①売上が減少していること

申請前の直近6ヶ月間のうち、売上⾼が低い3ヶ月の合計売上⾼が、コロナ以前の同3ヶ月の合計売上⾼と⽐較して、10%以上減少しているか確認しましょう。

②「事業再構築」に取り組んでいること

⾃社の強みや経営資源(ヒト/モノ等)を活かしつつ、経産省が⽰す「事業再構築指針」 に沿った事業計画を、認定⽀援機関等と策定しているかを確認しましょう。

③事業終了後3~5年に付加価値額の増加が見込まれること

事業終了後3~5年で、付加価値額が、次のうちいずれかで増加が見込まれる状態であるか確認しましょう。

  • 付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加
  • 従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加

(3)対象企業

事業再構築補助金の対象企業は、次のとおりです。
詳しくは次章にて、解説します。

  • 中小企業
  • 中堅企業

2、事業再構築補助金の補助額

本章では、それぞれの企業がどの対象に当てはまるのか、どのくらいの補助金を受け取れるのかについて、以下の公式リーフレットに沿って確認しましょう。

(出典:事業再構築補助金|中小企業庁)

「1、(3)対象企業」でも説明したとおり、対象企業は、中小企業と中堅企業に分かれています。

さらに、以下のように枠が分類されています。

  • 中小企業:通常枠
  • 中小企業:卒業枠
  • 中堅企業:通常枠
  • 中堅企業:グローバルV字回復枠

特別枠として設けられているのが、「緊急事態宣言特別枠」です。

それぞれの枠における「条件」と、「補助額・補助率」について解説します。

(1)中小企業:通常枠

①条件

認定される企業数に、上限はありません。
多くの中小企業は、「通常枠」に該当すると思われます。

②補助額と補助率について

補助額 100万円~6,000万円
補助率 2/3

(2)中小企業:卒業枠

①条件

「卒業枠」とは、計画期間内に以下のいずれかを行って、資本金または従業員を増やし、中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けの特別枠となります。

  • 組織再編
  • 新規設備投資
  • グローバル展開

なお、卒業枠として認定されるのは、限定400社となりますのでご注意ください。

②補助額と補助率について

補助額 6,000万円超~1億円
補助率 2/3

(3)中堅企業:通常枠

①条件

中堅企業の通常枠には、認定される企業数に上限はありません。
多くの中堅企業はこちらに該当すると思われます。

②補助額と補助率について

補助額 100万円~8,000万円
補助率 1/2

(4,000万円超は1/3)

(4)中堅企業:グローバルV字回復枠

①条件

中堅企業の「グローバルV字回復枠」は、以下の要件を全て満たす中堅企業向けの特別枠になります。

  • 直前6ヶ月間のうち、売上高の低い3ヶ月の合計売上高がコロナ以前の同3ヶ月の合計売上高と比較して、15%以上減少している中堅企業
  • 事業終了後3~5年で、付加価値額又は従業員一人当たり付加価値額の年率5.0%以上増加を達成する見込みであること
  • グローバル展開を果たす事業であること

なお、グローバルV字回復枠の認定企業は、限定100社となりますのでご注意ください。

②補助額と補助率について

補助額 8,000万円超~1億円
補助率 1/2

(5)緊急事態宣言特別枠

緊急事態宣言を受けて、「緊急事態宣言特別枠」という特別枠が設けられています。

本項では、緊急事態宣言特別枠の

  • 対象事業者
  • 補助額・補助率
  • 不採用となった場合の対処法

について、解説します。

①対象事業者

緊急事態宣言の影響を受ける事業者向けに、以下の事業再構築補助金の特別枠が設けられています。
飲食店や各種サービス業を営む方は、「緊急事態宣言特別枠」で応募するのがおすすめです。

第1回公募では、5,181社応募のうち、採択2,866社となっています。
採択率は約55%となっており、半数以上が採択されています。

②補助額と補助率について

特別枠は、従業員数などによって補助上限額が変わります。
以下の表をご参考ください。

従業員数 補助上限額 補助率
5人以下 500万円 中小企業 3/4中堅企業 2/3
6人~20人 1000万円
21人以上 1500万円

③不採用になったら?

「特別枠」で不採択となったとしても、加点のうえ、通常枠で再審査が可能です。
特別枠の条件に該当する場合は、まずは特別枠での申請をおすすめします。

3、事業再構築補助金の補助対象経費

以上で解説した補助金は、事業拡大につながる事業資産(有形・無形)へ相応規模の投資をするものとなります。
補助対象経費は、本事業の対象として明確に区分できるものである必要があります。

本章では、補助対象となる一例をリストアップしました。

(1)補助対象経費

補助対象経費として、「主要経費」と「関連経費」があります。
本項では、上記経費の一例と、各事業における補助経費の事例について紹介します。

①主要経費

  • 建物費(建物の建築・改修に要する経費)
  • 建物撤去費
  • 設備費
  • システム購入費

②関連経費

  • 外注費(製品開発に要する加工や設計など)
  • 技術導入費(知的財産権導入に係る経費)
  • 研修費(教育訓練費など)
  • 販売促進費(広告作成・媒体掲載・展示会出展など)
  • リース費
  • クラウドサービス費
  • 専門家経費

③各事業の補助経費事例

次の各事業における補助経費の事例を紹介します。

  • 小売業
  • 製造業
  • 飲食業

―小売業の例

  • 現状:衣服販売業を営んでいたところ、コロナの影響で客足が減り売上減少
  • 取組:店舗での営業規模を縮小し、ネット販売事業やサブスクサービス事業に業態を転換

本件における補助経費例は、以下のとおりです。

  • 店舗縮小にかかる店舗改修の費用
  • 新規オンラインサービス導入にかかるシステム構築の費用 など

―製造業の例①

  • 現状:産業界向けに金属部品を製造していたところ、コロナの影響で需要減少
  • 取組:人工呼吸器用の特殊部品の製造に着手

本件における補助経費例は、以下のとおりです。

  • 特殊部品製造にかかる工作機械の導入費用

―製造業の例②

  • 現状:航空機部品を製造していたところ、コロナの影響で需要減少
  • 取組:当該事業の圧縮・関連設備の廃棄等を行い、ロボット関連部品・医療機器部品製造の事業を新規に立ち上げ

本件における補助経費例は、以下のとおりです。

  • 事業圧縮にかかる設備撤去の費用
  • 新規事業に従事する従業員への教育のための研修費用 など

―飲食業の例

  • 現状:レストラン経営をしていたところ、コロナの影響で客足が減り売上減少
  • 取組:店舗での営業を廃止。オンライン専用の注文サービスを新たに開始し、宅配や持ち帰りの需要に対応

本件における補助経費例は、以下のとおりです。

  • 店舗縮小にかかる建物改修の費用
  • 新規サービスにかかる機器導入費
  • 広告宣伝のための費用 など

(2)補助対象外経費

以下のような費用は、補助対象外対象となります。
補助対象外経費には、十分ご注意ください。

  • 補助対象企業の従業員の人件費・従業員の旅費
  • 不動産・株式・公道を走る車両・汎用品(パソコン・スマートフォン・家具など)の購入費
  • フランチャイズ加盟料
  • 販売する商品の原材料費
  • 消耗品費
  • 光熱水費
  • 通信費

4、事業再構築補助金の申請書作成のポイント

数多くの提案の中から、採択される申請書を記載するためには、以下のような審査項目・加点項目において高い評価を受ける必要があります。

審査項目・加点項目は以下のとおりです。

  • 補助対象事業としての適格性
  • 事業化点
  • 再構築点
  • 政策点
  • 加点項目(緊急事態宣言関連)

審査項目や加点項目においても、事業計画の策定が重要になります。
本章では、審査項目・加点項目について、申請書作成に関する重要ポイントをそれぞれ解説します。

(1)補助対象事業としての適性があるか

「2、事業再構築補助金の補助額」で解説したように、補助対象事業としての適性があるか判断するためには、以下の点について確認しましょう。

  • 補助対象事業の要件を満たす
  • 補助事業終了後3~5年計画で「付加価値額」年率平均3.0%(※)以上の増加等が達成可能な取り組みみである

(※)「グローバルV字回復枠」については5.0%以上

(2)事業化に向けた取り組みをしているか

事業化に向けた取り組みをしているかどうかについて、確認しましょう。

具体的には、以下のような点を確認することが重要です。

  • 事業体制や資金調達ができているか
  • 市場ニーズの検証ができているか
  • 事業の妥当性
  • 事業の効果性

①事業体制や資金調達

本事業の目的に沿った事業実施のための体制(人材・事務処理能力など)が整っているか確認しましょう。

また、最近の財務状況などから、次のようなことを確認しましょう。

  • 補助事業を適切に遂行することが期待できるのか
  • 金融機関等からの十分な資金の調達が見込めるか など

②市場ニーズの検証

事業化に向けて、次のような適切な市場ニーズの有無を検証できているか確認しましょう。

  • 競合他社の動向を把握することなどを通じて市場ニーズを考慮しているか
  • 補助事業の成果の事業化が寄与するユーザーやマーケット、市場規模が明確であるか

③事業の妥当性

事業の妥当性については、次のような点を確認しましょう。

  • 補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有しているか
  • 事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当であるか
  • 補助事業の課題が明確になっており課題の解決方法が明確・妥当であるか

④事業の効果性

事業の効果性については、次の点を確認しましょう。

  • 補助事業として費用対効果(※)が高いか
    (※)補助金の投入額に対して増額が想定される付加価値額の規模、生産性の向上、その実現性など

さらに、費用対効果において、以下の点によって効果的な取り組みみとなっているか確認しましょう。

  • 現在の自社の人材・技術・ノウハウなどの強みを活用すること
  • 既存事業とのシナジー効果が期待されること など

(3)事業再構築に向けた取り組みをしているか

事業再構築に向けた取り組みをしているかどうかについては、次のようなポイントを確認しましょう。

  • 事業再構築方針の実現可能性
  • 事業再構築の必要性や緊急性
  • リソースの最適化が図れるか
  • 地域に貢献できる新規事業であるか

①事業再構築方針の実現可能性

事業再構築方針の実現可能性として、以下の点を確認しましょう。

  • 事業再構築指針に沿った取り組みであるのか
  • 全く異なる業種への転換などリスクが高く思い切った事業の再構築を行うものか

②事業再構築の必要性や緊急性

「既存事業において著しく売上減少している」など、新型コロナウイルスの影響で深刻な被害が生じており、事業再構築を行う必要性や緊要性が高いか確認しましょう。

③リソースの最適化が図れるか

市場ニーズや自社の強みを踏まえ、「選択と集中」を戦略的に組み合わせ、リソースの最適化を図る取り組みであるか確認しましょう。

④地域に貢献できる新規事業であるか

先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築などを通じて、地域のイノベーションに貢献できる事業か確認しましょう。

(4)政策に応じた取り組みをしているか

政策に応じた取り組みをしているかについては、以下の点を確認しましょう。

  • 日本の経済成長に貢献できる技術を用いているか
  • 現在の情勢の中においての投資の有効性
  • 他社との差別化や事業の潜在性
  • 地域経済をけん引する事業にできるか
  • 高い生産性の向上と経済波及効果の期待

①日本の経済成長に貢献できる技術を用いているか

次のような技術の活用を通じて、日本の経済成長を牽引し得るか確認しましょう。

  • 先端的なデジタル技術の活用
  • 低炭素技術の活用
  • 経済社会にとって特に重要な技術の活用 など

②現在の情勢の中においての投資の有効性

新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えて、V字回復を達成するために有効な投資内容となっているか、確認しましょう。

③他社との差別化や事業の潜在性

ニッチ分野において、以下のようなことを通じて差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか確認して策定しましょう。

  • 適切なマーケティング
  • 独自性の高い製品・サービス開発
  • 厳格な品質管理 など

④地域経済をけん引する事業にできるか

次のような点について、雇用の創出や地域の経済成長を牽引する事業となることが期待できるか確認しましょう。

  • 地域の特性を活かして高い付加価値を創出する
  • 地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼす

⑤高い生産性の向上と経済波及効果の期待

単独では解決が難しい課題について、複数の事業者が連携して取り組むことにより、高い生産性向上が期待できるか確認しましょう。

具体的には、異なるサービスを提供する事業者が、共通のプラットフォームを構築してサービスを提供するような場合などです。

異なる強みを持つ複数の企業等(大学等を含む)が、共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか確認しつつ、策定しましょう。

(5)その他加点項目

「その他加点項目」としては、2021年の政府による緊急事態宣言の影響を受けた事業者に対する加点です。
具体的には、次のとおりです。
売上高が同月同年比で30%以上減少しているか
各種固定費が協力金を上回っているか

加点項目については、エビデンスとなる添付書類を提出し、各要件に合致することが確認できた場合にのみ加点されます。

①売上高が同年同月比で30%以上減少しているか

2021年の緊急事態宣言により、

  • 飲食店の時短営業
  • 不要不急の外出・移動の自粛 など

以上のような影響を受け、売上高が減少していることが加点項目となります。

具体的には、2021年年1月~3月のいずれかの月の売上高が、対同年同月(又は対前々年同月比)で30%以上減少していることです。

②各種固定費が協力金を上回っているか

上記①の条件を満たしたうえで、2021年1月~3月のいずれかの月の固定費(※)が、同期間に受給した協力金の額を上回ることが加点項目とされています。
(※)家賃+人件+光熱費等の固定契約料

5、事業再構築補助金の特別措置~事前着手承認制度について

事業再構築補助金の特別措置として、「事前着手承認制度」というものがあります。
本章では、事前着手承認制度の概要と注意点について解説します。

(1)事前着手承認制度とは

事業再構築補助金には、「事前着手承認制度」というものがあります。

通常の手続きの流れから説明しますと、補助金をもらって買おうと思っている設備などは、交付決定を受けてからでないと、発注が可能になりません。

交付決定というのは、採択と同じではありません。
締め切りまでに申請をして、採択の発表があった後、事務局と書類のやりとりをします。その後、交付決定がおりるという流れになります。

ところが、事業再構築補助金は、コロナの影響で売上が下がっているという企業が対象ですので、夏まで待てない方もいるでしょう。
以上のような方のために、「事前着手承認制度」があります。

補助金の交付決定前であっても、事務局から事前着手の承認を受けた場合は、2021年2月15日以降に購入・発注等を行った事業に要する経費も、補助対象となります。
承認を得るためには、事前着手承認制度申請書を作り、交付決定日までに事務局への提出が必要です。

申請された内容はすべて承認されるわけではなく、内容を審査した上で適切であると事務局が認めたものに限り、事前着手が承認されます。

(2)事前着手承認制度の注意点

本項では、事前着手承認制度の注意点について解説します。
具体的な注意点は、次のとおりです。

  • 事前承認は本審査での承認と全く異なる
  • 銀行振込以外の購入品は対象外
  • 見積もりの妥当性を証明する必要がある

①事前承認は本審査での承認と全く異なる

交付決定前に事前承認が承認された場合であっても、補助金の採択を約束するものではありません。
事前着手が承認されても、本審査で不採択となる可能性があるのです。
本審査で不採択となった場合は、補助金はもらえません。

②銀行振込以外の購入品は対象外

事前着手して購入したものは、銀行振込の実績により確認されます。
銀行振込以外(例えば手形払など)では、事前承認の対象外となるので注意が必要です。

③見積もりの妥当性を証明する必要がある

事前発注の場合でも、複数業者から相見積のうえ、最も安い業者から発注することが必要です。

相見積りを取っていない場合や、最も安い業者を選定していない場合には、その理由書や価格の妥当性を示す書類を用意する必要があります。
上記のような書類を用意できない場合は、事前承認の対象外になることもありますので、注意してください。

6、事業再構築補助金、自社はどの枠が対象?わからない場合は税理士に相談を!

以上、事業再構築補助金制度について解説してきましたが、かなりややこしく難しいですよね。
しかし、手続きをしっかりできなかったら、補助金をもらうことができません。

煩雑な手続きやそもそも自社がどの枠に該当するかわからない……などという悩みや不安があったら、税理士に相談をしてみませんか?

本章では、税理士に相談するメリットを紹介します。

(1)どこから手をつけていいか分からない場合に頼りになる

ここまで事業再構築補助金について解説してきましたが、正直どこから手を付けていいかわからない……という方も多いのではないでしょうか。

税理士に相談すれば、1から10までサポートしてくれます。
自社がどの枠に該当するかについてや、事業再構築補助金の申請手続きについても、しっかりサポートしてくれるでしょう。

(2)いつでもメールや電話で質問できる

税理士に依頼していれば、事業再構築補助金に限らず、資金調達や税務に関する疑問や悩みは、いつでもメールや電話で税理士へ相談可能です。

(3)代わりに書類作成(事業計画)をしてもらえる

不慣れな書類を作成するということは、皆さんが一番、お困りになるになる点だと思います。
税理士に依頼すれば、書類作成の代行をしてくれます。
税理士が難しい点を明確にし、確実性の高い書類を作成してくれることでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

収束の見通しが立たない新型コロナウイルスの感染拡大。
コロナの影響を受けて売上が減ってしまい困っている……という事業者は、今回解説した「事業再構築補助金制度」を活用して、コロナ禍を乗り越えましょう。

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この記事の監修者

荒井悠輔
荒井 悠輔

税理士法人ベリーベスト 経営企画室シニアマネージャー
株式会社ベリーベストサポートオフィス 代表取締役
資格の大原税理士講座簿記論講師、
文化服装学院ファッション流通高度専門士課タックスアカウンティング講師を務める。
筑波大学大学院において、法人税法及び国際税務を研究し、修了。
現在は経営企画、セミナー、講師、論文・記事の執筆を中心に活動を行っている。