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TAX&ACCOUNTING MALL資金調達事業再構築補助金とは?サービス産業を救う補助金の6つのポイント
2022.12.16 / 更新日:2022.12.16

事業再構築補助金とは?サービス産業を救う補助金の6つのポイント

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事業再構築補助金とは、どのような補助金なのだろう……。

2020年から始まった新型コロナウイルスの感染拡大。新型コロナの影響で、特に大打撃を受けているのが飲食業界です。
飲食業などのサービス業をはじめとして、新型コロナの影響で事業の継続が難しくなってしまった企業を救うべく、経済産業省は「事業再構築補助金」を打ち出しました。現在、事業再構築補助金の第8回公募期間中で2023年1月13日と締切間近です。

今回は、事業再構築補助金について説明したうえで、

  • 事業再構築補助金の補助額
  • 事業再構築補助金の補助対象経費
  • 事業再構築補助金の申請書作成のポイント

について、解説します。
あわせて、事業再構築補助金の特別措置である「事前着手承認制度」についても紹介します。

本記事が、「事業再構築補助金について知りたい」「実際に事業再構築補助金を利用したい」と考えている方々の参考になれば幸いです。

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1、事業再構築補助金とは

本章では、なぜ事業再構築補助金ができたのかなどの背景を含めた概要と、

  • 事業再構築補助金の申請条件
  • 事業再構築補助金の対象企業

について解説します。

(1)事業再構築補助金の概要

事業再構築補助金とは、2020年第3回補正予算にて、中小企業向けの補助金として新たに設立された制度です。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴っての事業転換や、感染防止に取り組む中小企業に対して、転換にかかる費用の3分の2を補助します。1社当たり100万~1億円を給付する補助金制度となっています。
持続化給付金が赤字補填の給付金に対して、事業再構築補助金は、新たな取り組みを行う設備投資などを補助する補助金です。

令和2年度3次補正予算では「中小企業等事業再構築促進事業」として1兆1,485億円が投入され、令和3年度補正予算には6,123億円、令和4年度予備費予算では1,000億円、令和5年度は7,123億円が事業再構築補助金に投入される見込みです。

以上のように、事業再構築補助金は、売上減少に苦しみながらも事業再構築に取り組む中小企業や中堅企業等を支援する補助金となります。

(2)事業再構築補助金の背景

新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売上の回復を期待しづらい状況は、日本経済に大きなダメージを与えています。
コロナによるダメージを回復させるためには、あらゆる企業にウィズコロナ・ポストコロナ時代の経済社会の変化に対応した新分野への事業展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編などが求められています。
そこで、思い切った事業再構築に意欲的な中小企業等に対して補助金で支援し、日本経済の構造転換を促進したいという考えが、事業再構築補助金が設立された背景にあります。

2、事業再構築補助金の申請から支給までのプロセス

中小企業庁の「事業再構築補助金」のサイトによると、令和4年(2022年)10月3日に第8回公募を開始しています。締め切りは令和5年(2023年)1月13日までとのことなので、常に情報をチェックしましょう(事業再構築補助金 公募要領(第8回) ― 事務局ホームページ)。

本章では、第8回事業再構築補助金の申請から支給までのプロセスをご紹介します。

(1)第8回事業再構築補助金公募スケジュール

2022年10月~2023年1月13日 事業再構築補助金の公募期間
2023年2月・3月 事業再構築補助金の審査
2023年3月 採択結果公表(3月中旬から下旬予定)
2023年4月 交付決定(予定)
2023年5月~2024年4月 補助対象期間(1年程度)(予定)
2024年4月 実績報告(予定)
2024年6月 補助金支給(予定)

(2)申請書類

申請時の主な添付書類は、以下のとおりです。応募する枠によって内容が異なりますので、ご注意ください。

  1. 事業計画書(※1)
  2. 認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書
  3. コロナ以前に比べて売上高が減少したことを示す書類
  4. 決算書等
  5. ミラサポPLUS「電子申請サポート」の事業財務情報(※2)
  6. 従業員数を示す書類(労働基準法に基づく労働者名簿の写し)
  7.  建物の新築が必要であることを説明する書類(建物の新築に係る費用を補助対象経費として計上している場合)
  8. リース料軽減計算書及びリース会社が適切にリース取引を行うことについての宣誓書(リース会社と共同申請する場合)
  9. (大規模賃金引上げ枠のみ)賃金引上げ計画の表明書
  10. (回復・再生応援枠は12.・13.いずれか)2021年10月以降のいずれかの月の売上高が対2020年又は2019年同月比で30%以上減少していること(または2021年10月以降のいずれかの月の付加価値額が対2020年又は2019年同月比で45%以上減少していること)を示す書類
  11. (回復・再生応援枠は12.・13.いずれか)中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会)等から支援を受けており、応募申請時において再生計画等を「策定中」の者又は再生計画等を「策定済」かつ公募終了日から遡って3年以内に再生計画等が成立等した者に該当することを証明する書類
  12. (最低賃金枠のみ)2020年4月以降のいずれかの月の売上高が、対前年又は前々年同月比で30%以上減少していること(又は、2020年4月以降のいずれかの月の付加価値額が、対前年又は前々年同月比で45%以上減少していること)を示す書類
  13. (最低賃金枠のみ)事業場内最低賃金を示す書類
  14. (グリーン成長枠のみ)研究開発・技術開発計画書又は人材育成計画書
  15. (グリーン成長枠のみ)別事業要件及び能力評価要件の説明書(過去の公募回で採択されている事業者の場合)
  16. (緊急対策枠のみ)足許で原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響を受けたことにより、2022年1月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、2019年~2021年の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している(又は、2022年1月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計付加価値額が、2019年~2021年の同3か月の合計付加価値額 と比較して15%以上減少している)ことを示す書類
  17. 審査における加点を希望する場合に必要な追加書類

(※1) A4サイズ、最大15ページで作成。補助金額1,500万円以下なら10ページ以内。
(※2)電子申請サポート作成手順 ― 経済産業省

(3)申請方法

受付は電子申請システムのみです。申請するためには、「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です。

「GビズIDプライムアカウント」は、GビズIDのホームページで必要事項を記載して必要書類を郵送することで作成できます。取得までには2週間前後かかるため、早めの取得をおすすめします。

(4)採択後の手続き

採択の決定後、採択・不採択の結果が事務局から通知されます。
採択が決定すると、事務局による補助対象経費(※)を精査の後、企業等が補助金の交付申請手続きを行うことになります。

(※)補助対象経費とは、事業再構築補助金の補助対象となる経費のことです。詳しくは「4、事業再構築補助金の補助対象経費」で解説します。

詳しくは、事業再構築補助金の公式サイトのマニュアルに記載されておりますので、ご確認ください。

3、事業再構築補助金の補助額

本章では、それぞれの企業がどの対象に当てはまるのか、どのくらいの補助金を受け取れるのかについて、以下の公式リーフレットに沿って確認しましょう。

(出典:事業再構築補助金|中小企業庁)

事業再構築補助金の対象企業は中小企業と中堅企業に分かれており、さらに申請ができる中小企業等は、下記6種類の枠に分かれています。
それぞれの申請要件と補助額・補助率について解説します。

  • 通常枠
  • 大規模賃金引上枠
  • 回復・再生応援枠
  • 最低賃金枠
  • グリーン成長枠
  • 緊急対策枠

(1)通常枠

①申請要件

通常枠では、以下3つのケースに当てはまる中小企業等が申請できます。

a.売上が減っている

2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月間の合計売上高が、コロナ以前(2019年または、2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していれば、申請可能です。

上記を満たさない場合には、2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計付加価値額(※)が、コロナ以前の同3か月の合計付加価値額と比較して15%以上減少していれば申請可能となります。
(※)付加価値額とは、営業利益・人件費・減価償却費を足したもの。

b. 新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編に取り組む

事業再構築の内容は何でもいいわけではありません。事業再構築指針に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換等を行うことが求められています。

新分野展開 主たる事業又は業種を変更することなく、新たな製品等を製造等することにより、新たな市場に進出すること。
事業転換 新たな製品等を新たな市場で製造等することにより、主たる業種を変更することなく、主たる事業を変更すること。
業種転換 新たな製品を製造することにより、主たる業種を変更すること。
業態転換 製品等の製造方法等を相当程度変更すること。
事業再編 会社法上の組織再編行為(合併・会社分割・株式交換・株式移転・事業譲渡)等を補助事業開始後に行い、新たな事業形態の元に新分野展開・事業転換・業種転換または業態転換のいずれかを行うこと。

参照:事業再構築指針の手引き ― 経済産業省

c.事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む

認定経営革新等支援機関とは、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上のある者として国の認定を受けた支援機関(税理士、公認会計士、中小企業診断士、商工会・商工会議所、金融機関等)をいいます。

なお、補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関(銀行、信金、ファンド等)も参加して策定します。
金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は、金融機関のみで構いません。

②補助金額

従業員20人以下 100万~2,000万円
従業員21~50人 100万~4,000万円
従業員51~100人 100万~6,000万円
従業員101人以上 100万~8,000万円

③補助率

中小企業者等 2/3(6,000万円超は1/2)
中堅企業等 1/2(4,000万円超は1/3)

中小企業の範囲は、中小企業基本法と同様で資本金10億円未満の会社。

  • 製造業その他: 資本金3億円以下の会社 又は 従業員数300人以下の会社及び個人
  • 卸売業: 資本金1億円以下の会社 又は 従業員数100人以下の会社及び個人
  • 小売業: 資本金5千万円以下の会社 又は 従業員数50人以下の会社及び個人
  • サービス業: 資本金5千万円以下の会社 又は 従業員数100人以下の会社及び個人

※中堅企業の範囲は、中小企業の範囲に入らない会社のうち資本金10億円未満の会社。

(2)大規模賃金引上枠

多くの従業員を雇用しながら、継続的な賃金引上げに取り組む、従業員を増やして生産性を向上させる中小企業等が対象です。大規模賃金引上枠で不採択となった場合は、通常枠で審査されます。

①申請要件

通常枠の申請要件に加え、以下の2点を満たすこと

  • 補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5年の事業計画期間終了までの間、事業場内最低賃金を年額45円以上の水準で引き上げること
  • 補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5年の事業計画期間終了までの間、従業員数を年率平均1.5%以上(初年度は1.0%以上)増員させること

②補助金額

従業員101人以上 8,000万円超~1億円

③補助率

中小企業者等 2/3(6,000万円超は1/2)
中堅企業等 1/2(4,000万円超は1/3)

(3)回復・再生応援枠

引き続き業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む中小企業等が対象です。
「回復・再生応援枠」で不採択となったとしても、加点の上「通常枠」で再審査されます。

①申請要件

通常枠の申請要件に加え、以下のいずれかを満たすこと。
2021年10月以降のいずれかの月の売上高が対2020 年又は2019 年同月比で30%以上減少していること。
中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会)等から支援を受け再生計画等を策定していること。

②補助金額

従業員5人以下 100万~500万円
従業員6~20人 100万~1,000万円
従業員21人以上 100万~1,500万円

③補助率

中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3

(4)最低賃金枠

最低賃金の引上げの影響を受け、その原資の確保が困難である業況の厳しい中小企業等が対象です。最低賃金枠で申請して不採択となった事業者は、通常枠で再審査されます。

①申請要件

通常枠の申請要件に加え、2020年10 月から2021年6月までの間で、3か月以上最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いることが要件です。

②補助金額

従業員5人以下 100万~500万円
従業員6~20人 100万~1,000万円
従業員21人以上 100万~1,500万円

③補助率

中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3

(5)グリーン成長枠

グリーン分野での事業再構築を通じて、高い成長を目指す中小企業等が対象です。
グリーン成長枠では売上高10%減少要件を課しませんが、グリーン成長枠で不採択となった場合、通常枠での再審査を希望する事業者は、売上高等減少要件を満たすことを示す書類を提出する必要があります。

①申請要件

  • 事業再構築指針に沿った事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること(補助額3,000万円超は金融機関の参加も必須)。
  • 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均5.0%以上増加又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均5.0%以上増加の達成を見込む事業計画を策定すること。
  • グリーン成長戦略「実行計画」14分野※に掲げられた課題の解決に資する取組として記載があるものに該当し、その取組に該当する2年以上の研究開発・技術開発又は従業員の一定割合以上に対する人材育成をあわせて行うこと。

参照:2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略 ― 経済産業省

②補助金額

中小企業者等 100万~1億円
中堅企業等 100万~1.5億円

③補助率

中小企業者等 1/2
中堅企業等 1/3

(6)緊急対策枠

コロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」に基づき、原油価格・物価価格高騰等の予期せぬ経済環境の変化の影響を受けている事業者が対象です。

①申請要件

通常枠の申請要件に加え、以下を満たすことが要件となります。

  • 足許で原油価格・物価高騰等の経済環境の変化を受けたことにより、2022年1月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が2019~2021年の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること等
  • コロナによって影響を受けていること

②補助金額

従業員5人以下 100万~1,000万円
従業員6~20人 100万~2,000万円
従業員21~50人 100万~3,000万円
従業員51人以上 100万~4,000万円

③補助率

中小企業者等 3/4
(従業員数5人以下の場合500万円を超える部分、従業員数6~20人の場合1,000万円を超える部分、従業員数21人以上の場合1,500万円を超える部分は2/3)
中堅企業等 2/3
(従業員5人以下の場合500万円を超える部分、従業員数6~20人の場合1,000万円を超える部分、従業員数21人以上の場合1,500万円を超える部分は1/2)

4、事業再構築補助金の補助対象経費

以上で解説した補助金は、事業拡大につながる事業資産(有形・無形)へ相応規模の投資をするものとなります。
補助対象経費は、本事業の対象として明確に区分できるものである必要があります。

本章では、補助対象となる一例をリストアップしました。

(1)補助対象経費

補助対象経費として、「主要経費」と「関連経費」があります。
本項では、上記経費の一例と、各事業における補助経費の事例について紹介します。

①主要経費

  • 建物費(建物の建築・改修に要する経費)
  • 建物撤去費
  • 設備費
  • システム購入費

②関連経費

  • 外注費(製品開発に要する加工や設計など)
  • 技術導入費(知的財産権導入に係る経費)
  • 研修費(教育訓練費など)
  • 販売促進費(広告作成・媒体掲載・展示会出展など)
  • リース費
  • クラウドサービス費
  • 専門家経費

③各事業の補助経費事例

次の各事業における補助経費の事例を紹介します。

  • 小売業
  • 製造業
  • 飲食業

―小売業の例

  • 現状:衣服販売業を営んでいたところ、コロナの影響で客足が減り売上減少
  • 取組:店舗での営業規模を縮小し、ネット販売事業やサブスクサービス事業に業態を転換

本件における補助経費例は、以下のとおりです。

  • 店舗縮小にかかる店舗改修の費用
  • 新規オンラインサービス導入にかかるシステム構築の費用 など

―製造業の例①

  • 現状:産業界向けに金属部品を製造していたところ、コロナの影響で需要減少
  • 取組:人工呼吸器用の特殊部品の製造に着手

本件における補助経費例は、以下のとおりです。

  • 特殊部品製造にかかる工作機械の導入費用

―製造業の例②

  • 現状:航空機部品を製造していたところ、コロナの影響で需要減少
  • 取組:当該事業の圧縮・関連設備の廃棄等を行い、ロボット関連部品・医療機器部品製造の事業を新規に立ち上げ

本件における補助経費例は、以下のとおりです。

  • 事業圧縮にかかる設備撤去の費用
  • 新規事業に従事する従業員への教育のための研修費用 など

―飲食業の例

  • 現状:レストラン経営をしていたところ、コロナの影響で客足が減り売上減少
  • 取組:店舗での営業を廃止。オンライン専用の注文サービスを新たに開始し、宅配や持ち帰りの需要に対応

本件における補助経費例は、以下のとおりです。

  • 店舗縮小にかかる建物改修の費用
  • 新規サービスにかかる機器導入費
  • 広告宣伝のための費用 など

(2)補助対象外経費

以下のような費用は、補助対象外対象となります。
補助対象外経費には、十分ご注意ください。

  • 補助対象企業の従業員の人件費・従業員の旅費
  • 不動産・株式・公道を走る車両・汎用品(パソコン・スマートフォン・家具など)の購入費
  • フランチャイズ加盟料
  • 販売する商品の原材料費
  • 消耗品費
  • 光熱水費
  • 通信費

5、事業再構築補助金の申請書作成のポイント

事業再構築補助金の審査は事業計画書を基に行われるため、申請にあたっては事業計画書の作成は必須です。
しかし、どのように事業計画書を作ればいいか分からないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本章では、経済産業省の中小企業庁から公表された「事業再構築補助金の概要」から、事業計画作成の要点を3点にまとめました。

(1)合理的で説得力のある事業計画の策定

事業再構築補助金の審査で採択されるためには、以下の5つのポイントを事業計画書に入れ込み、合理的で説得力のある事業計画を策定するようにしましょう。

  • 現在の事業の状況、事業環境、事業再構築の必要性など
  • 事業再構築の具体的内容(提供する製品・サービス、導入する設備、工事等)
  • 事業再構築の市場の状況、自社の優位性、価格設定、課題やリスクとその解決法
  • 実施体制、スケジュール、資金調達計画、収益計画(付加価値増加を含む)
  • 事業実施体制・財務の妥当性、市場ニーズの検証、課題解決の妥当性、費用対効果

(2)事業計画書は認定経営革新等支援機関や金融機関と策定

事業再構築補助金の申請は、認定経営革新等支援機関や金融機関と策定することが要件となっています。

認定経営革新等支援機関とは次のようなものです。

  • 税理士
  • 公認会計士
  • 中小企業診断士
  • 商工会・商工会議所
  • 金融機関等

各都道府県別に認定された機関は、中小企業庁のホームページより確認できます。

なお、補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関(銀行・信金・ファンド等)も参加して策定します。金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は、金融機関のみで構いません。

(3)事業計画の数値要件

補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額(※)の年率平均3.0%以上増加の達成を見込む事業計画を策定するようにしましょう。

(※)付加価値額とは、営業利益・人件費・減価償却費を足したものをいいます。詳細は、経済産業省の中小企業庁から事業計画作成の動画とガイドブックが出ています(事業再構築~虎の巻~ ― 中小企業庁)。

6、事業再構築補助金の特別措置~事前着手承認制度について

事業再構築補助金の特別措置として、「事前着手承認制度」というものがあります。
本章では、事前着手承認制度の概要と注意点について解説します。

(1)事前着手承認制度とは

事業再構築補助金には、「事前着手承認制度」というものがあります。

通常の手続きの流れから説明しますと、補助金をもらって買おうと思っている設備などは、交付決定を受けてからでないと、発注が可能になりません。

交付決定というのは、採択と同じではありません。
締め切りまでに申請をして、採択の発表があった後、事務局と書類のやりとりをします。その後、交付決定がおりるという流れになります。

ところが、事業再構築補助金は、コロナの影響で売上が下がっているという企業が対象ですので、夏まで待てない方もいるでしょう。
以上のような方のために、「事前着手承認制度」があります。

補助金の交付決定前であっても、事務局から事前着手の承認を受けた場合は、2021年2月15日以降に購入・発注等を行った事業に要する経費も、補助対象となります。
承認を得るためには、事前着手承認制度申請書を作り、交付決定日までに事務局への提出が必要です。

申請された内容はすべて承認されるわけではなく、内容を審査した上で適切であると事務局が認めたものに限り、事前着手が承認されます。

(2)事前着手承認制度の注意点

本項では、事前着手承認制度の注意点について解説します。
具体的な注意点は、次のとおりです。

  • 事前承認は本審査での承認と全く異なる
  • 銀行振込以外の購入品は対象外
  • 見積もりの妥当性を証明する必要がある

①事前承認は本審査での承認と全く異なる

交付決定前に事前承認が承認された場合であっても、補助金の採択を約束するものではありません。
事前着手が承認されても、本審査で不採択となる可能性があるのです。
本審査で不採択となった場合は、補助金はもらえません。

②銀行振込以外の購入品は対象外

事前着手して購入したものは、銀行振込の実績により確認されます。
銀行振込以外(例えば手形払など)では、事前承認の対象外となるので注意が必要です。

③見積もりの妥当性を証明する必要がある

事前発注の場合でも、複数業者から相見積のうえ、最も安い業者から発注することが必要です。

相見積りを取っていない場合や、最も安い業者を選定していない場合には、その理由書や価格の妥当性を示す書類を用意する必要があります。
上記のような書類を用意できない場合は、事前承認の対象外になることもありますので、注意してください。

7、事業再構築補助金、自社はどの枠が対象?わからない場合は税理士に相談を!

以上、事業再構築補助金制度について解説してきましたが、かなりややこしく難しいですよね。
しかし、手続きをしっかりできなかったら、補助金をもらうことができません。

煩雑な手続きやそもそも自社がどの枠に該当するかわからない……などという悩みや不安があったら、税理士に相談をしてみませんか?

本章では、税理士に相談するメリットを紹介します。

(1)どこから手をつけていいか分からない場合に頼りになる

ここまで事業再構築補助金について解説してきましたが、正直どこから手を付けていいかわからない……という方も多いのではないでしょうか。

税理士に相談すれば、1から10までサポートしてくれます。
自社がどの枠に該当するかについてや、事業再構築補助金の申請手続きについても、しっかりサポートしてくれるでしょう。

(2)いつでもメールや電話で質問できる

税理士に依頼していれば、事業再構築補助金に限らず、資金調達や税務に関する疑問や悩みは、いつでもメールや電話で税理士へ相談可能です。

(3)代わりに書類作成(事業計画)をしてもらえる

不慣れな書類を作成するということは、皆さんが一番、お困りになるになる点だと思います。
税理士に依頼すれば、書類作成の代行をしてくれます。
税理士が難しい点を明確にし、確実性の高い書類を作成してくれることでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

収束の見通しが立たない新型コロナウイルスの感染拡大。
コロナの影響を受けて売上が減ってしまい困っている……という事業者は、今回解説した「事業再構築補助金制度」を活用して、コロナ禍を乗り越えましょう。

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この記事の監修者

荒井悠輔
荒井 悠輔

税理士法人ベリーベスト 経営企画室シニアマネージャー
株式会社ベリーベストサポートオフィス 代表取締役
資格の大原税理士講座簿記論講師、
文化服装学院ファッション流通高度専門士課タックスアカウンティング講師を務める。
筑波大学大学院において、法人税法及び国際税務を研究し、修了。
現在は経営企画、セミナー、講師、論文・記事の執筆を中心に活動を行っている。