経理部門の忙しい毎日に経理業務を効率化する3つの方法を解説
月単位、年単位で波のように繁忙期が訪れる経理部門では、ほぼ毎日のように忙しさが部門内を満たしています。
経理部門は、繁忙期には残業が常態化し、従業員の体力と会社の生産性を徐々にむしばんでいくのです。
これを解決するには、経理業務の効率化をするしかありません。
今回は、
- 効率化が進まない経理業務の問題点と効率化すべき理由
- 経理業務を効率化する3つの方法
- 経理業務を効率化した後の方向性
について、べリーベスト税理士事務所が解説していきます。
この記事を読めば、経理業務の効率化を大きく進めるきっかけをつかむことができます。
経理業務を効率化して、会社の生産性を向上させましょう。
ぜひ、最後までご覧ください。
税理士にご相談頂いた方がよい可能性があります。
お気軽にべリーベスト税理士事務所までお問い合わせください。
1、効率化が進まない経理業務が抱える問題点と効率化すべき理由
(1)経理業務の問題点
経理業務を効率化する方法の前に、なぜこんなにも経理業務の効率化が進まないのかの理由を確認していきましょう。
①業務が属人化しやすい
経理業務は、一般的に他の部署よりも少人数で構成されており、業務は専門知識を必要とします。
そのため、特定の業務は特定の人にしかできなくなるという、いわゆる属人化に陥りやすいのです。
属人化の結果、業務の担当者は、自分の慣れている方法でしか業務を行わなくなり、その方法について他の人のチェックが入りづらくなります。
そうして、業務方法の問題点の洗い出しがされないまま、非効率な方法が野放しにされてしまうのです。
②ミスが許されない
経理業務は、請求や支払い、決算書の作成など、会社のお金にかかわる重要な業務です。
できるだけミスが起こらないように、慎重に作業せざるを得ません。
慎重に作業をするため、業務のスピードはなかなか上がりません。
さらに、ミスがないかチェックのためにより多くの時間を費やすことになります。
効率化をしようにも、業務方法の変更によるミスの増加を恐れて、従来の非効率なやり方から抜け出すことができなくなってしまうのです。
(2)経理業務を効率化すべき理由
経理業務の問題点を踏まえると、経理業務の効率化を面倒に思うかもしれません。
しかし、それでもなお、経理業務は効率化を進めるべきです。
本項では、経理業務を効率化すべき理由について確認していきましょう。
①迅速な経営判断のために
経営者は、毎月経理部が作成する試算表を見て、当期の目標達成率を確認したり、前年度の試算表との比較したりします。
試算表の分析などを通じて、経営者は今後の経営方針のかじ取りをします。
もし、試算表を早期に作成することができたらどうなるでしょうか。
今までよりも早く経営判断を下すことができ、試算表が出来上がった時にはもうすでに手遅れという事態に陥らなくなります。
迅速な経営を実現するためにも、経理業務の効率化を急ぐべきです。
②経理人材不足への対応
少子高齢化の進行によって、将来的に働き手の数は、ますます減っていくことでしょう(参考:総務省「人口推計 令和3年2月報」)。
経理人材も、その分減少していきます。
将来、人材不足により経理業務が回らなくなるということを避けるためにも、経理業務を効率化して、少ない人材でも経理業務が回るようにしておくべきでしょう。
2、経理業務を効率化する3つの方法
では、一体どうすれば経理業務を効率化することができるのか、いくつかの効率化の方法の中から3つ解説していきます。
(1)経理業務の洗い出し
①業務の洗い出し
業務の洗い出しによって、経理業務の内容を精査します。
誰がどのような業務を、どのように行っているかを把握することで、非効率な点や問題点を洗い出します。
洗い出された非効率な点や問題点を踏まえて、無駄な業務の削除やより効率な方法の確立を行うことで、経理業務の効率化が可能です。
②例
- その都度経費の精算をしていたのを、給与とまとめて清算する
- 代金の振込日をできるだけひとつの日にまとめて、銀行に行く回数を減らす
(2)管理するものを減らす
①預金口座を一本化する
預金口座を一本化して代金の入金や支払い、口座振替をひとつの口座から行うようにすることで、口座間の資金移動にかかる手間を減らすことが可能です。
預金口座を減らすことで、資金の流れを把握しやすくなり、資金繰りをしやすくなるメリットもあります。
②売掛金を減らす
売掛金を減らすことで、様々なメリットを得ることができます。
―売掛金の管理の手間が減る
売掛金には、主に「回収」や「入金消込」といった、管理作業が必要です。
回収では、取引先に対して、回収期限を過ぎた売掛金の入金を促します。
入金消込では、回収した売掛金と実際に入金された金額を確認して、しっかりと入金されていれば、計上されている売掛金を金額分減らします。
取引先が少なければ、それほど手間はかからないでしょう。
しかし、多くの取引先と取引をしている場合は、管理作業に多くの時間を費やさなければならなくなります。
売掛金を減らすことで、こうした売掛金の管理業務にかかる時間を減らすことができます。
―貸し倒れのリスクが減る
売掛金には貸し倒れのリスクがあるため、代金を回収できず、資金繰りに苦しむことになる可能性がゼロではないというデメリットがあります。
しかし、売掛金を減らすことで、貸し倒れのリスクは減少し、資金繰りが良くなります。
(3)経理業務を効率化する会計ソフトなどを導入する
会計ソフトや請求書発行ソフト、経費精算ソフトを導入することで、経理業務は格段に効率化します。
会計ソフトなどを導入すると得られるメリットには、主に以下のモノがあります。
―ペーパーレス化
会計ソフトなどにより、様々な業務の情報がはじめからデータとして扱われるため、ペーパーレス化が進みます。
従来の紙から、システムへの転記作業にかかる時間の削減が可能です。
―仕訳などの作業の自動化
会計ソフトなどによって、データの集計などが自動化されます。
これによって、入力集計作業にかかる時間の短縮だけでなく、チェックにかかる時間も削減可能です。
3、経理業務を効率化した後にできること
経理業務を効率化すると、経理部門では時間が余ります。
余った時間を有効に使うことで、今までできなかった新しい業務をすることが可能です。
本章では、例として以下の2つを紹介します。
(1)より高度な経理業務
より高度な経理業務としては、資金管理や予算管理などがあります。
―予算管理
予算管理とは、月々の売上などの数値の予測と実績について、比較分析を行うことです。
予算管理を行うことで、目標はどのくらい達成されているのか、過去の数値と比べて異常はないかなどを把握できます。
目標が達成されていない、異常な数値が出ていることを把握した場合は、その原因の分析と改善策の提案を行います。
―資金管理
会計上の収益・費用と実際の収入・支出のタイミングには、ズレがあります。
このズレによって、利益は出ているはずなのに、資金が足りないという事態が発生します。
最悪のケースが、黒字倒産です。
予算管理とは別に、資金管理によって資金の収支の流れを把握することが必要です。
資金管理は、大きく以下の3つの業務から構成されます。
(2)他部署の支援
経理業務を効率化して余った時間で、他部署の業務の支援も可能です。
他部署の金額を扱う業務について支援を行うことで、会社全体に良い影響を与えることができます。
4、経理業務の効率化について相談するならお近くの税理士へ!
(1)経理部門構築のサポート
経理業務の効率化の方法として、業務の洗い出しによる問題点の把握と業務改善を解説しました。
しかし、実際やってみようとしても、どこから手をつければいいのか、改善といってもこれでいいのか、といった悩みが出てきたのではないでしょうか。
その場合は、税理士に相談してみてください。
税理士であれば、効率的な経理業務のフローの構築、経理部門の育成・体制の強化など強力な経理部門の構築をサポートできます。
(2)会計ソフトなどの導入のサポート
経理業務の効率化の方法として、会計ソフトなどの業務効率化ツールの導入も解説しました。
しかし、現在多くのツールがあり、どれが一番良いのか悩まれているのではないでしょうか。
税理士は、ツールの選定についても的確なアドバイスをすることが可能です。
数あるツールの中から、あなたの会社の事業に最適のツールを紹介することができます。
まとめ
今回は、経理業務の効率化について、
- 問題点
- 効率化すべき理由
- 効率化の方法
- 効率化後の方向性
などについて解説してきました。
経理業務の効率化によってメリットを受けるのは、経理部門だけではありません。
余った時間で高度な経理業務や他部署の支援を行うことで、会社全体の生産性を向上させることができます。
もし、経理部門の効率化に興味を持ち、これから効率化を進めていきたいと考えているのであれば、税理士に相談をしてみてください。必ず力になってくれるはずです。
税理士にご相談頂いた方がよい可能性があります。
初回のご相談は無料ですので
お気軽にべリーベスト税理士事務所までお問い合わせください。