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TAX&ACCOUNTING MALL節税資本金1000万以下で起業可能?起業で知りたい資本金のこと5つ
2022.1.7 / 更新日:2022.01.07

資本金1000万以下で起業可能?起業で知りたい資本金のこと5つ

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資本金1000万円超での起業と、1000万円以下での起業には、どのような違いがあるのだろう……。

起業を検討されている方のなかには、資本金の額でお悩みの方も少なくないのではないでしょうか。

一般的に、起業前の段階では資本金を1000万円超えにするのか、1000万円以下にするかで悩まれる方が多くいらっしゃいます。
資本金が1000万円を超えているかどうかで、消費税額や法人住民税額などが変わってくるためです。

消費税については、資本金が1000万円以上で納税義務者となります。
法人住民税については、資本金が1000万円超で均等割の額が変わります。

今回は、資本金とはどういうものかについて説明したうえで、

  • 資本金を1000万円未満にするメリット
  • 資本金を1000万円未満にするデメリット
  • 資本金が1000万円を超えると下請法の対象になる

について解説していきます。

「資本金をいくらにすべきか迷っている」
「資本金は1000万円なくてはだめなの?」
などとお悩みの方は、ぜひ本記事をご参考にください。

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1、そもそも資本金とは?

そもそも資本金とは何なのか、本章では資本金の基本について解説していきます。

(1)資本金の概要

資本金とは、会社設立までに、株主や投資家から受けた「出資金」のことです。

会社を設立するには、設備を整えるなどで、資金が必要になります。
これらに充てるため、株主や投資家から調達した資金を資本金といいます。

(2)資本金からわかること

資本金の額からわかることは、「会社の規模」と「会社の体力」です。

資本金の額が多ければ多いほど、規模の大きな会社であることが想定されます。
「多くの資金を集められる」というような信用力があると判断できるため、資本金が多ければ、いざというときに体力のある会社といえるでしょう。

(3)資本金が多いと何が良いのか

前述のとおり、資本金は株主や投資家から集めたお金です。

多額の資本金が集められるということは、それだけ、株主や投資家から信用をされている会社であるとわかります。
経営の面においても、信頼のおける会社であると判断されることが多いでしょう。

2、資本金を1000万円未満にするメリット

本章では、資本金を1000万円未満にすることによって、得られるメリットを紹介します。

「資本金が少ない=倒産しやすい会社」ではありません。その理由についても、解説していきます。

(1)消費税が最長2年間免除

課税期間に係る課税売上高が1000万円を超える事業者は課税事業者となり、消費税を納税する義務が発生します。

しかし、新たに設立された法人で、かつ資本金の額が1000万円未満の事業者に対しては、最長2年間、消費税の納税が免税されるのです。

新たに設立された法人については、設立1期目及び2期目の基準期間はありませんので、原則として、納税義務が免除されます。

しかし、基準期間のない事業年度であっても、以下の場合であれば、納税義務は免除されません。

  • 事業年度の開始の日における資本金の額又は出資の金額が1000万円以上の場合
  • 特定新規設立法人に該当する場合

(引用:No.6501 納税義務の免除|国税庁)

資本金が1000万円以上の場合、設立年度から、課税事業者となってしまいます。

(2)法人住民税が少なくて済む

法人住民税には、「所得割」と「均等割」があり、均等割の計算には、資本金の額が関わってきます。
簡単にいうと、資本金額が1000万円以下の事業者の方が、納税額が少なくて済むのです。

例えば、東京都の場合、資本金額が1000万円以下かつ従業員数が50人以下の会社の均等割額は、7万円です。
一方、資本金額が1000万円超~1億円以下かつ従業員数が50人以下になると、均等割額は、18万円となります。
資本金が1000万円以下の会社の方が、11万円安くなる計算です。

法人住民税の均等割額は、自治体によって異なりますので、詳細な金額は各自治体の情報を参考にしてください。

(3)資本金1000万円以下の会社は倒産しやすいわけではない

本章の冒頭でも説明したとおり、資本金の額と会社がすぐに倒産するかどうかは、直結していません。

資本金は、増資をしない限り、会社を設立した当時の会社規模を表しています。
その後どんなに売上が伸びても、従業員が増えて会社の規模が拡大したとしても、資本金の額には反映されません。

資本金の額が少ない会社は、すぐに倒産してしまうと一概には言えないのです。
倒産の可能性が高いかどうかは、会社全体の数値をみて判断する必要があります。

3、資本金を1000万円未満にするデメリット

以前は、資本金が1000万円以上でなければ、株式会社を設立することができませんでした。
その名残で、「資本金が1000万円未満の会社」に対して、不安を抱く方もいるでしょう。

資本金1000万円未満で起業する場合は、「世間から不安視される可能性がある」ことを考慮しておきましょう。
特に、融資を受ける際には、資本金が少なすぎると不利になるケースがあります。

例えば、日本政策金融公庫から融資を受ける場合、資本金は融資金額の最低10分の1が必要です。

現在、資本金は1円から株式会社の設立が可能です。
しかし、だからといってあまりに低い金額に設定をしてしまうと、融資を受けられない事態を引き起こすことになりかねません。

起業をする際には、将来のことも検討したうえで、資本金額を決定するようにしましょう。

4、資本金が1000万円を超えると下請法の対象に

資本金が、1000万円を超えると下請法の対象となり、下請け企業に対してさまざまな義務を負うことになります。

本章では、下請法の概要と下請け企業に対する義務について解説します。

(1)下請法とは下請け企業を保護する法律

下請法とは、下請け企業を保護するための法律です。正式名称を「下請代金支払遅延等防止法」といいます。

力の強い親事業者からの不正の強要や、支払の未払から下請け企業を守るために、制定されました。

(2)資本金1000万円を超えると義務が生じる

下請法では、資本金が1000万円を超えると親事業者に該当します。

親事業者になると、下請け企業に対して下記の義務を果たす必要が生じるのです。

  • 書面の交付義務
  • 支払期日を定める義務
  • 書類の作成・保存義務
  • 遅延利息の支払義務

資本金を検討する際は、資本金額が1000万円を超えると、下請法の親事業者に該当することを覚えておきましょう。
違反したときには、罰金や勧告を受ける可能性があるので、注意が必要です。

5、資本金の額でお悩みなら税理士へ相談を!

「資本金がいくらあれば十分なのかわからない」
「資本金の額を変更したら何か影響が出るのか知りたい」
上記のようなお悩みを持っている方は、税理士への相談をおすすめします。

本章では、税理士へ相談するメリットを紹介します。

  • 会社にあわせた適切なアドバイスがもらえる
  • 会社設立に関するその他の事項も合わせて相談できる
  • 会社設立後も相談できる

(1)会社にあわせた適切なアドバイスがもらえる

ここまで説明してきたとおり、資本金の額は、税金や会社の信用に影響を与えます。
「1人では決められない」「自社にとってベストな資本金額を知りたい」という状況もあるでしょう。

以上のような状況の方は、ぜひ一度税理士へご相談ください。
会社の状況に合わせた適切なアドバイスが得られるでしょう。

(2)会社設立に関するその他の事項も合わせて相談できる

起業する際には、資本金以外にも検討すべきことがたくさんあります。
資本金以外の税金や手続きについても、税理士に相談をすることが可能です。

税理士は、さまざまな会社の設立に関わってきています。
そのため、今までの多くの経験を活かしたアドバイスが得られるでしょう。
税理士は、経営者の心強い相談者となってくれます。

(3)会社設立後も相談できる

会社は、設立してからがスタート。運営していくと、さまざまな問題が出てきます。
運営上でさまざまな問題が発生した場合でも、会社設立前から取引のある税理士であれば、会社の説明や引継ぎを行う必要がありません。
税理士へ、スムーズに問題の対応を依頼できるでしょう。

まとめ

資本金が1000万円未満の場合は消費税の負担を、1000万円以下の場合は法人住民税の負担を、抑えることが可能です。

しかし、資本金が1000万円に満たない会社を不安視する声もあります。
資本金が少なすぎると、融資など借入ができなくなる可能性もあります。

資本金の額を決めるときには、メリット・デメリットをどちらも理解したうえで、資本金の額を検討しましょう。
下請法についても、考慮をする必要があります。

資本金の検討に際し、疑問点や不安がある方は、税理士へ一度ご相談をください。
数々の会社の設立に携わってきた経験を活かし、会社の事情に合った適切なアドバイスを受けることができます。

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この記事の監修者

荒井悠輔
荒井 悠輔

べリーベスト税理士事務所 経営企画室シニアマネージャー
株式会社ベリーベストサポートオフィス 代表取締役
資格の大原税理士講座簿記論講師、
文化服装学院ファッション流通高度専門士課タックスアカウンティング講師を務める。
筑波大学大学院において、法人税法及び国際税務を研究し、修了。
現在は経営企画、セミナー、講師、論文・記事の執筆を中心に活動を行っている。