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TAX&ACCOUNTING MALL経理/会計小口現金管理を効率化する3つの方法
2022.1.27 / 更新日:2022.01.26

小口現金管理を効率化する3つの方法

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小口現金を効率化させたいけれど、いったいどのような方法が良いのだろう……。

小口現金とは、業務上必要な支払いのために、手元で管理する少額の現金を指します。
支店のある会社や、経理以外の部署で用いられていることも多いでしょう。
業務上必要な支払いが発生したとき、都度精算できるため大変便利です。

しかし、現金を手元で管理するため、盗難や紛失などのリスクが伴います。
担当者は毎日現金を数え、帳簿と合わせなければいけません。
日々の精算量が増加すると、負担となり問題が発生することもあるでしょう。

本記事では、小口現金についての概要やメリットなどについて説明したうえで、

  • 小口現金管理を効率化する具体的な方法
  • 小口現金廃止のメリット

についてわかりやすく解説します。
あわせて、小口現金廃止など「業務効率化」に関する悩みを税理士へ相談するメリットについて、説明します。

この記事が、小口現金の管理を効率化させたいと考えている方々の手助けとなれば幸いです。

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1、小口現金とは

本章では、小口現金の概要とメリット、問題点について解説します。

(1)小口現金の概要

業務上必要な際に、すぐに精算ができるように手元に用意する少額の現金のことを、小口現金と言います。
例えば、下記のものが該当します。

  • 書類発送のための切手代
  • 収入印紙代
  • 事務所のお茶やコピー用紙などの消耗品代
  • 駐車場代や電車代、タクシー代など交通費の精算

小口現金管理には、「小口現金出納帳」を用います。
現金出納帳で管理している「現金」とは異なり、各支店や店舗、部署ごとに管理するのが一般的です。
定期的に経理に残高を報告し、過不足のないことを確認します。
一方、現金は基本的に経理のみで扱います。

経費の支払いや、買掛金の支払いなど、小口現金以外の現金支払いの全てを「現金」として管理します。

(2)小口現金のメリット|立て替えの必要がない!

従業員個人が長期間お金を立て替える必要がなく、すぐに精算できる点がメリットです。
日々の業務内で急に発生する支払いにも、小口現金なら即座に対応できます。

わざわざ本社に確認することなく、支店の裁量で利用できる現金があるのは便利ですよね。
少額な金額であっても、現金が必要になるたびに事前に本社に書類をあげる必要が出てくると、スピーディーな業務対応ができません。

(3)小口現金の問題点|管理に手間がかかる

小口現金がある限り、管理担当者が必要です。

担当者は、日々現金出納帳をつけ、現金の残高を確認しなければなりません。
出納帳と現金が合わない場合、毎回、その原因を突き止める必要があります。

小口現金は、現金である以上、盗難や紛失、横領などが生じる危険性もあるでしょう。
1日の精算数が増加すると、下記のような問題点も浮上します。

  • 仮払金の精算数が重なると担当者の負担が増える
  • 細かな仕訳を数多くする必要が生じ手間がかかる

特に、専属ではなく他の仕事と兼任している場合は、小口現金の管理に注意が必要です。
業務量増加は作業時間を圧迫し、ミスの誘発にも繋がります。

2、小口現金管理を効率化する方法

メリットと同時に煩わしさもある小口現金。
そんな小口現金を、効率よく管理する3つの方法について紹介します。

  • エクセルで管理
  • クラウドサービスの利用
  • 小口現金を廃止

(1)エクセルで管理

他の業務でエクセルを利用している場合、小口現金出納帳の手書き管理を止め、エクセルで管理することで効率化できます。

手書きの場合は、金額を記入した後に、電卓で計算しなければいけません。

しかし、エクセルでは、自動計算できるため、計算ミスの減少に繋がるのです。
各支店ごとのエクセル書式を統一すると、本社経理の監査や取りまとめが容易になります。

費用をかけることなく小口現金管理の業務効率化を考えているなら、エクセルでの管理を検討すると良いでしょう。

(2)クラウドサービスの利用

クラウド型の経費精算システムの導入により、負担を減らすことが可能です。

出金状況を入力するだけで、仕訳まで連動させる機能があるものを利用すれば、担当者の負担をぐっと軽減できます。

サービスによっては、領収書やレシートを社員のスマホで写真に撮るだけで、内容を読み取り、そのまま経費申請可能となる機能がついたものもあります。
上記のようなクラウドサービスを利用すれば、出社の必要がなく、在宅ワークでも経費申請が可能となるのです。

クラウドサービスの利用は、ペーパーレス化の推進にもなります。
決裁や承認も、クラウド上で済ませることが可能であるためです。
以上のように、経費精算システムを利用すると、管理担当者だけでなく他の社員の手間や負担も減らすことができるという利点があります。

(3)小口現金を廃止

上記(1)と(2)の対策では、現金の取り扱い自体は無くなりません。
現金が手元にあることで生じる盗難や紛失に関する不安は、無くならないでしょう。

担当者が毎日現金を数え、さらに月末に現金と帳簿残高とを合わせるという手間は、ついて回ります。
社会全体としてキャッシュレス化が進みつつある現状においては、「小口現金廃止」の検討も有効です。

しかし、今まで慣れ親しんできたものを急に全部を廃止することになると、現場に混乱が生じるかもしれません。
どのような方法で廃止したら良いか頭を悩ませる人もいるでしょう。

本項では、小口現金廃止のための具体的な方法を紹介します。

  • 本社で月に一度の経費精算
  • 法人カードの利用
  • 仮払金対応
  • 経費精算システムの導入

小口現金廃止のメリットについては、次章で解説します。

①本社で月に一度の経費精算

1ヶ月間、社員が経費を立て替え、給与と同時に本社で一括精算する方法があります。
この方法では、支店ごとの現金準備は不要となります。

ただし、社員が1ヶ月の間、経費を立て替えなければならなくなる点がデメリットです。

社員によっては、領収書を紛失してしまう可能性もあるでしょう。
事前にマニュアルを作り、指導を徹底することで、リスク回避を図ることが必要といえます。

多額の立替が生じる場合は、後に紹介する「仮払金対応」と組み合わせることにより、デメリットを軽減できるでしょう。

②法人カードの利用

法人専用のクレジットカードを作成し、必要な社員に持たせるという方法です。
支払い時には、現金でなく法人カードを利用します。

法人カードで利用した金額は、会社口座からの引き落としとなるため、社員の立替による手間や負担は生じません。
経理担当者が利用明細を確認できるため、不正使用も防止できます。

③仮払金対応

長期出張や海外出張など、従業員の高額な立替金が事前に予測できる場合、仮払金を渡すという方法もあります。
出張などが全て終わった後、領収書で精算し、お金が余っていた場合は返金してもらいます。
支店ごとの現金は不要となるうえ、各従業員が個人で立て替える必要もありません。

④経費精算システムの導入

上記の①~③で紹介した方法を、クラウド型の経費精算システムと組み合わせることによって、さらなる業務効率化に繋げることが可能です。

例えば、法人カードを利用して、仕訳まで自動で行ってくれる機能のある経費精算システムを導入すると、経理担当者の手間や負担の軽減が可能です。

月に一度の経費精算と、経費精算システムとを組み合わせることも有効といえるでしょう。

経費を使用した社員は、レシートや領収書を写真に撮ってクラウドにあげることで、手軽に経費の利用申請が可能となります。

3、小口現金廃止のメリット

本章では、小口現金廃止のメリットについて紹介します。

(1)業務の効率化

小口現金廃止による最大のメリットは、「業務の効率化」です。

小口現金の管理担当者は、毎日現金を確認する必要がなくなります。
帳簿と現金残が合わないために、遅い時間まで原因を調査することもありません。

これまで、小口現金精算のためだけに出社していた場合は、オンライン業務に切り替えることも可能となるのです。

(2)小口現金管理の担当者以外にもメリットがある!

担当者以外の社員にも、下記のようなメリットがあります。
現金受け渡しのためだけの出社が不要となる
現金を使うたびに生じていた精算書記入の手間を削減できる

(3)経費精算システムを利用すればオンラインで稟議決裁が可能

前章(3)で紹介した「経費精算システム」を導入すると、現金使用時の決裁をオンラインで行うことが可能となります。

上記により、手元のスマホで隙間時間にオンラインで申請、決裁を行うことができるのです。

紙の精算書を利用していたときのように、上司が出社していることを確認して、印鑑をもらいにいく手間を省略することが可能です。

4、小口現金廃止の注意点

前章では、小口現金廃止のメリットについて紹介しました。
本章では、小口現金廃止の注意点について解説します。

(1)手数料の発生を防ぐ

本社で一括して社員に立替金を支払う場合、普通に振り込むと振込手数料が発生し、会社の負担となります。
そのため、給与支給時に合わせて振込をすることで手数料の発生を防ぎましょう。

(2)事前にルールを作り社内でしっかり共有する

社員に1ヶ月の間立替を要求する場合は、社員による領収書の長期管理が必須となります。
事前にルールを作り、しっかり説明をして浸透させていくことが大切です。

また、キャッシュレス化が進んでいるとはいえ、実際に運用してみると、クレジットカード決済ができないものがあることに気付くかもしれません。
取引相手のキャッシュレス化が進んでされていない場合、口座振り込みに切り替えることは可能か、先方に相談するのもおすすめです。

一斉廃止に踏み切る前に、効率化に舵を切りながら様子をみつつ、廃止の方向に傾けていく方が良い場合もあります。
可能な限り小口現金の運用を減らすことで、業務の効率化に繋がっていくことでしょう。
自社に適した範囲で業務効率化を目指すと良いでしょう。

5、小口現金廃止など「業務効率化」に関する悩みは税理士へ相談しよう

小口現金を廃止する、あるいは軽減していく方法について解説しました。

しかし、これまで行ってきたことを突然廃止することになれば、反対意見も出てくるでしょう。
小口現金廃止への取り組みに躊躇される方も多いのではないでしょうか。

そのような場合には、税理士へ相談することで、解決の糸口が見えてくるかもしれません。
税理士へ相談するメリットは、以下のとおりです。

  • 小口現金廃止に向けてのアドバイスをしてくれる
  • 経理業務効率化に向けた支援をしてくれる

(1)小口現金廃止に向けてのアドバイスをしてくれる

税理士は、小口現金廃止などの業務効率化支援を行うことができます。
業務効率化に関する幅広い経験ある税理士なら、しっかりと業務効率化に向けたアドバイスをすることが可能です。
自社に最適な業務の軽減化や効率化の方法についても、知ることができるでしょう。

(2)経理業務効率化に向けた支援をしてくれる

経理に関する業務効率化は、小口現金に関することだけではありません。
経理関係や、税務関係の業務効率化全体の相談が可能です。
業務効率化で時間を作ることにより、業務拡張のための経営分析などにじっくり取り組むことも可能となるでしょう。

日々の業務に追われているなかで、効率化に取り組む時間を作ることは難しいものです。
専門的知識を持ち、経験豊富な税理士に相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ

本記事では、小口現金の管理を効率化、廃止する方法について解説しました。

日々の業務を効率化することは、さまざまなメリットをもたらします。
とはいえ、会社によって最適な方法は異なります。

いち早く業務効率化に向けて取り組みたい場合には、専門知識のある税理士への相談を検討すると良いでしょう。

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この記事の監修者

荒井悠輔
荒井 悠輔

べリーベスト税理士事務所 経営企画室シニアマネージャー
株式会社ベリーベストサポートオフィス 代表取締役
資格の大原税理士講座簿記論講師、
文化服装学院ファッション流通高度専門士課タックスアカウンティング講師を務める。
筑波大学大学院において、法人税法及び国際税務を研究し、修了。
現在は経営企画、セミナー、講師、論文・記事の執筆を中心に活動を行っている。