バイアウトとは?|バイアウトは3種類!それぞれ徹底解説
バイアウトって聞いたことあるけど実際に何するの?
バイアウトについて詳しく知りたい!
以上のようなことを思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、バイアウトを行おうか考えている経営者の方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では、バイアウトの概要から実行するまでのポイントまで解説します。
具体的には、
- バイアウトとは
- バイアウトの種類と特徴
- バイアウト実行のポイント
- バイアウトの注意点
などについて解説します。
バイアウトについての知識がない方でも、この記事は「バイアウト」についてほぼ網羅した内容となっています。
バイアウトについて詳しく知りたい方やバイアウトを考えている経営者の方の参考になれば幸いです。
税理士にご相談頂いた方がよい可能性があります。
お気軽にべリーベスト税理士事務所までお問い合わせください。
1、バイアウトとは
バイアウトとは、いったい何のことなのでしょうか?
バイアウトについて、基本的なことを知りたい方もいると思います。
本章では、
- バイアウトの概要
- なぜ増えているのか
- バイアウトの事例を紹介
などといった、バイアウトの基本的なことを詳しく紹介します。
(1)バイアウトの概要
バイアウトは、英語で「Buy Out」と表現します。日本語では、「買収」「買い占め」という意味です。
つまり、バイアウトとは、企業の株式を経営者または従業員が半数以上買い取って、経営権を取得することを意味します。
(2)バイアウトの目的
バイアウトを行う目的は、いったいどのようなことが挙げられるのでしょうか?
バイアウトを行う目的としては、以下のようなことが挙げられます。
- 創業者の起業資金の回収
- 業績悪化から再建のため
- 社内での事業承継
以上のように、バイアウトの目的はさまざまです。
バイアウトの目的については、次章「2、バイアウトの種類とそれぞれの特徴」で、詳しく解説します。
(3)バイアウトの事例紹介
皆さんの中には、ファミリーレストランをよく利用されている方がいらっしゃるのではないでしょうか?
ガストやバーミヤン、夢庵などを運営する「すかいらーくグループ」で実際に行われたバイアウトを紹介します。
2006年、すかいらーくグループは、業績悪化に苦しんでいました。
そのため、経営陣によってバイアウトを行使し、上場を廃止した事例となります。
このバイアウトでは、当時の経営陣が非上場化した上で、大胆な経営改革を行い、企業価値を高めて再上場を目指すという狙いがありました。。
実際に、すかいらーくグループは、2014年に再上場を果たすという結果となりました。
すかいらーくグループでは、「MBO」というバイアウトの手法がとられました。
MBOについては、次章で詳しく解説します。
2、バイアウトの種類とそれぞれの特徴
バイアウトには、手法の違いによって3つの種類があります。
3つの種類というのは、以下の通りです。
- MBO(マネジメントバイアウト)
- EBO(エンプロイバイアウト)
- LBO(レバレッジドバイアウト)
本章では、3つの種類のバイアウトそれぞれの目的や特徴の解説を行います。
(1)MBO:マネジメントバイアウト
MBO(マネジメントバイアウト)は、「経営者や経営陣が既存の株主から、株式を買い取り、経営権を得ること」を指します。
前章「1、バイアウトとは」で紹介したすかいらーくグループのバイアウトは、このMBOに当たります。
①目的
MBOの目的としては、以下のようなことが挙げられます。
- 経営体制見直し
- 上場廃止
- 独立経営の実現
- 既存株主からの脱却
- 他社買収からの保護
②メリット
MBOのメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
- 一般投資家など外部の株主に大きな影響を与えない
- 事業承継がスムーズにできる
- 上場廃止によって、他社からの買収リスク回避
③デメリット
対して、MBOのデメリットは、以下のようなことが挙げられます。
- 既存株主からの反対
- 経営陣と会社の間で利益相反が生じる
- 株式が非公開になる
株式が非公開になることによって起こる弊害として、資金調達が難しくなってしまったり、経営監視体制が低下したりすることが考えられます。
(2)EBO:エンプロイバイアウト
EBO(エンプロイバイアウト)とは、「従業員が勤務先の企業から株式を買い取って、経営権を取得すること」指します。
買い手が「従業員」ということが、EBOの特徴です。
①目的
EBOの主な目的としては、「従業員に事業承継」することです。
深刻な後継者不足に陥っている日本の中小企業は、EBOを行使して事業を存続させることができます。
②メリット
EBOのメリットとしては、以下の通りです。
- 従業員に事業承継ができる
- 事業承継がスムーズにできる
③デメリット
対して、EBOのデメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
- 従業員に資金力がなければ実現不可能
- 従業員の資金調達が困難
(3)LBO:レバレッジドバイアウト
LBO(レバレッジドバイアウト)は、「譲渡企業の資産や今後に期待されるキャッシュフローを担保にして、譲受企業が金融機関から資金を借り入れて買収すること」を指します。
買収を他企業である第三者が行う点で、MBOやEBOとは異なります。
譲渡企業の資産や、キャッシュフローを担保として資金調達をする点も、LBOの特徴です。
①目的
LBOの目的としては、「少ない自己資金で経営権を取得し、大きな利益をあげること」です。
譲渡企業の資産を担保として資金調達を行うため、自己資金が少ない場合でも、LBOなら買収が可能になります。
②メリット
LBOのメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
少ない自己資金の投入で買収することができる
返済リスクの軽減
節税効果がある
③デメリット
LBOのデメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
収益低下によって、事業運営が困難になる
借入金利が高い
3、バイアウトを実行する際のポイント
次に、バイアウトを実際に行うか考えている方に向けて、実行する際のポイントを紹介します。
本章で解説する、「実行する際のポイント」は、以下の通りです。
- 企業価値を正確に知る
- 専門業者に相談・依頼
(1)企業価値を正確に知る
バイアウトを成功させるためには、まず企業価値を正確に知ることが重要です。
買い手にとっては、対象の会社の価額が妥当かどうか、売り手にとっては、自社の売却価額が妥当かどうか知っておく必要があります。
価値が妥当かどうか正確に算出したい場合は、専門家に依頼すると良いでしょう。
専門家に依頼については、次項で詳しく説明します。
(2)専門業者に相談・依頼
バイアウトを行うときは、バイアウトの専門家やバイアウトについての知見がある方に相談しましょう。
バイアウトは、専門的知識や経験がないと失敗する可能性が高くなります。
専門業者は、専門的知識や経験を有しているので、バイアウトに関して多岐にわたって相談することが可能です。
専門業者に依頼することで、正しい企業価値の算定や、バイアウト先の提案など、依頼者にとって有益になる業務を代替してくれます。
4、バイアウトの注意点
バイアウトを成功するためにポイントを紹介しましたが、バイアウトするためにはいくつか注意点を把握しておかなければなりません。
本章で解説する注意点は、以下の通りです。
- M&Aとの違い
- 従業員の待遇
(1)M&Aとの違い
M&Aという言葉をご存知でしょうか?
バイアウトについて興味がある方ならば、一度は聞いたことがあるかもしれません。
バイアウトと意味が似ている言葉として、M&Aがあります。
実は、バイアウトは、M&Aの手法の1つです。
バイアウトとM&Aの明確な違いとしては、「買い手」が異なる点になります。
バイアウトのうち、MBOやEBOは社内の人物が買い手となります。
しかし、M&Aは、他社が買い手となることが一般的です。
バイアウトの目的は、買収した人物の収益拡大が目的とされますが、M&Aでは、企業の事業拡大を目的とします。
M&Aについて、詳しくは下記の記事で解説していますので、あわせてご参考にしてください。
M&Aを成功させるために知りたいメリットや失敗事例を徹底解説!
(2)従業員の待遇の変化
バイアウトを行うことで、従業員の待遇が変わる可能性があるということに注意が必要です。
バイアウトでは、買収した人や企業が経営権を取得するため、従業員になんらかの待遇の変化が起こるかもしれません。
雇用契約を結んでいない役員は、買収先企業へ出向することになったり、処遇が大きく変わったりすることもあります。
まとめ
今回は「バイアウト」について解説しました。
バイアウトは、会社経営において起業資金の回収や再建、事業承継などを目的として、必要となる可能性もあります。
バイアウトを含む会社経営に関する悩みや不安がある方は、専門的知識や経験を有する税理士に相談しましょう。
税理士に相談するメリットは、以下のとおりです。
- コンサルティング
- 税務・会計サポート
- 節税対策
会社経営に関する相談は、ぜひ税理士をご活用ください。
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初回のご相談は無料ですので
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