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TAX&ACCOUNTING MALL会社経営上場条件とは?スムーズなIPOのために知っておきたい4つのこと
2022.4.20 / 更新日:2022.04.18

上場条件とは?スムーズなIPOのために知っておきたい4つのこと

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上場条件には、どのようなものがあるのだろう……。

上場(IPO)を検討しているものの、具体的にどのように進めればよいかわからないという企業も多いのではないでしょうか。

2022年4月に、上場の市場区分が変更となります。
今回は、変更となる上場の市場区分の変更など上場(IPO)の概要について説明したうえで、2種類の上場(IPO)条件についてべリーベスト税理士事務所が解説します。

あわせて、

  • 上場(IPO)のスケジュール感
  • 上場(IPO)に向けてやるべきこと
  • 上場(IPO)の費用感

など、上場(IPO)に必要な情報についても紹介します。

本記事が、上場(IPO)を検討している企業の参考になれば幸いです。

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1、上場(IPO)条件について知る前に~株式に上場(IPO)するとはどういうことか?

上場(IPO)とはどのようなことなのでしょうか。

本章では、

  • 上場(IPO)することについての概要
  • 上場(IPO)のメリット・デメリット
  • 市場の種類

を解説します。

(1)上場(IPO)とは

「上場する(IPO)」とはどういうことでしょうか?
株式会社は、上場・非上場に関わらず株式を発行していますが、非上場会社の株は、誰でも売買できるものではありません。
しかし、上場すれば、世界中の誰もが、東証などの証券取引所を通じてその会社の株式を自由に売買できるようになります。
上場した会社にとっては、株式を売買できるステージに”上がる”というイメージです。

(2)上場(IPO)するメリット

上場(IPO)するメリットは、以下のとおりです。

  • 資金調達がしやすくなる
  • 社会的信頼が高まる
  • 社内の管理体制(コーポレート・ガバナンス)が強化される

①資金調達がしやすくなる

上場(IPO)していない場合、事業拡大や将来への投資などの成長資金は、銀行からの借入だけに頼ることになります。
しかし、誰でも株式売買ができる状態であれば、広く投資家から調達することが可能です。

②社会的信頼が高まる

企業の知名度が上がることで、消費者・取引先・金融機関からの信用が高まり、安心して取引をしていただきやすくなります。さらに従業員やその家族にとっても、上場会社で働いていることは安心感につながり、従業員採用時には、優秀な人材を集めやすい、というのも大きなメリットです。

③社内の管理体制(コーポレート・ガバナンス)が強化される

その会社の株を一般に流通させるために、証券取引所は上場申請企業に対して厳格なる審査を行い、クリアした会社だけに「この会社の株式は売買する対象としてふさわしいですよ」といったのお墨付き与えます。それが「上場(IPO)」です。そのため上場(IPO)を目指す会社は、否が応でも社内の管理体制を整える必要があります。

(3)上場(IPO)するデメリット

①上場(IPO)に不可欠な費用発生

上場(IPO)するためには、上場準備時・上場時・上場後と、各フェーズごとに、多額の費用が発生します。
各費用については、「4.上場(IPO)にかかるコスト」のパートでご説明します。

②株主対応の煩雑さ

上場していなければ、経営者主導で事業拡大・成長投資など決定し、その資金を借り入れる場合は銀行に承認を得た後に実行できます。
一方で、上場後は株主に説明する義務が生じ、もし否決されれば軌道修正を余儀なくされることもあります。
特に、一般株主は目先の利益(株価の上昇)・配当を気にするため、すぐに成果の上がらない中長期投資については理解を得にくいでしょう。

③買収リスク

上場し、誰でもその会社の株式を売買できるようになるということは、常に買収リスクにさらされているということになります。
不意に経営権を奪われないためにも、対策は必要です。

(3)市場の種類

2021年12月現在は、

  • 一部
  • 二部
  • ジャスダック
  • マザーズ

の4市場があります。

しかし、2022年4月には、東京証券取引所が市場区分を再編し、

  • プライム
  • スタンダード
  • グロース

の3市場に移行します。

今まで海外の市場と比べて、明確でなかった各市場の特徴をより明確にし、世界の投資マネーを日本に呼び込む狙いです。

①プライム市場

多くの機関投資家の投資対象になる規模の企業が対象です。
条件は下記のとおりです。

  • 流通株式時価総額:100億円以上
  • 流通株式比率:35%以上

なお、現在の東証一部上場企業の中の7割は、この「プライム市場」上場条件を満たしています。

②スタンダード市場

スタンダード市場は、プライム市場より時価総額・流動性が低い企業向けの市場です。
条件は下記のとおりです。

  • 流通株式時価総額:10億円以上
  • 流通株式比率:25%以上

なお、現在の東証一部上場企業でプライム市場条件に適合しなかった企業と、東証二部とジャスダックの一部企業が、「スタンダード市場」の条件を満たしています。

③グロース市場

主に、新興企業向け市場です。
高成長実現のための事業計画開示の必要がありますが、赤字でも上場可能です。
条件は下記のとおりです。

  • 流通株式時価総額:5億円以上
  • 流通株式比率:25%以上

なお、現在のマザーズとジャスダックの一部企業が、「グロース市場」に移行すると思われます。

2、上場(IPO)条件は2種類ある

上場(IPO)にあたっては、証券取引所が定めた「形式要件」と「実質要件」の2種類の審査基準があり、その両方をクリアする必要があります。
各市場によって基準が異なるため、ここでは東証一部の要件を例にとってご説明します。
出典:日本取引所グループ(JPX)

(1)形式要件

形式要件とは、企業が上場(IPO)申請をする際に求められる要件のことで、定量面から上場適格性を審査します。申告内容は以下14項目にわたります。

  1. 株主数
  2. 流通株式
  3. 時価総額
  4. 事業継続年数
  5. 純資産の額
  6. 利益の額又は売上高
  7. 虚偽記載又は不適正意見等
  8. 上場会社監査事務所による監査
  9. 株式事務代行機関の設置
  10. 単元株式数
  11. 株券の種類
  12. 株式の譲渡制限
  13. 指定振替機関における取扱い
  14. 合併等の実施の見込み

(2)実質要件

実質要件とは、上場(IPO)申請企業が”上場(IPO)にふさわしい企業体質か”を審査するための要件です。
数値で測れない定性面は、書類・ヒアリング・実地調査などで、「上場審査等に関するガイドライン」に沿って精査します。

  1. 企業の継続性および収益性
  2. 企業経営の健全性
  3. 企業のコーポレート・ガバナンスおよび内部管理体制の有効性
  4. 企業内容などの開示の適正性
  5. その他公益または投資者保護の観点から東証が必要と認める事項

3、上場(IPO)するまでの流れ・スケジュール感

「上場(IPO)を目指そう!」と社内で意思決定したとして、上場(IPO)までの道のりは長いです。
準備から上場(IPO)に至るまでに、少なくとも3~4年はかかることを覚悟して臨みましょう。
では、まず何から着手したらよいのでしょうか?
本章では、上場(IPO)するまでの流れ・スケジュール感を解説します。

(1)コンサル・弁護士・税理士を決める

上場(IPO)に至るまでには、

  • 監査関連業務
  • 資本政策策定
  • 管理体制の整備

など、様々な業務や煩雑な手続きが発生します。

手続きには、専門的な知識が求められるため、最初の段階から経験豊富な専門家を交えた上場プロジェクトチームを編成することが、効率的に準備を進めるためには重要です。
チーム編成後に、上場(IPO)にあたっての課題抽出や、資本政策検討を行います。
なお、上場(IPO)直前の2会計年度期間は、2年間の監査証明が必要のため、監査法人(公認会計士)も決めておきましょう。

(2)主幹事証券会社を決める

主幹事証券会社は、

  • 上場(IPO)準備段階での資本政策や管理体制整備の指導
  • 上場(IPO)手続き
  • 株式の募集・売出し引受
  • 引受審査
  • 上場(IPO)後の株式の販売

など、大きな役割を担います。

(3)内部統制の構築

上場(IPO)している企業に対し、内部統制報告制度(J-SOX)という制度があります。
事業年度ごとに、「内部統制統制報告書」と「有価証券報告書」の提出を義務付けています。
そこで、上場(IPO)準備段階で、内部統制を整えていかなければなりません。
具体的には、社内規程・マニュアルの整備、業務の標準化・明文化、内部監査などを実施します。
なお、「内部統制報告書」は公認会計士または監査法人の監査が必須です。

4、上場(IPO)にかかるコスト

本章では、上場(IPO)にかかるコストについて、解説します。

(1)上場(IPO)準備のコスト

上場準備段階では、

  • コンサルタント・顧問弁護士・税理士などへの報酬
  • 証券会社・監査法人費用
  • 証券代行機関に対する手数料

などが発生します。

(2)上場(IPO)時のコスト

新規上場時には、

  • 上場審査料
  • 新規上場料
  • 登録免許税
  • 株式の公募や売り出しに関わる費用

がかかります。

晴れて上場した後には、契約内容にもよりますがコンサルタントへの成功報酬の支払もあります。

(3)上場(IPO)後のコスト

上場維持費用としては、

  • 年間上場料
  • 新株発行などにかかる費用
  • 新株の上場にかかる費用

などが発生します。

その他にも、

  • IR活動
  • 株主対応
  • 株主総会運営

などに関わる人員確保も必要です。

まとめ

今回は、2種類の上場(IPO)条件のほか、

  • 上場(IPO)のスケジュール感
  • 上場(IPO)に向けてやるべきこと
  • 上場(IPO)の費用感

などについて解説してきましたが、上場(IPO)の大枠をイメージいただけましたでしょうか。

上場(IPO)は、メリットも大きな一方で、実務的には慣れない業務や複雑な手続きが多数待ち受けています。
社内に専門人材がいない場合は、専門のコンサルタントなどにサポート・アドバイスなどを依頼し、二人三脚で準備を進めることをお勧めします。

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この記事の監修者

荒井悠輔
荒井 悠輔

べリーベスト税理士事務所 経営企画室シニアマネージャー
株式会社ベリーベストサポートオフィス 代表取締役
資格の大原税理士講座簿記論講師、
文化服装学院ファッション流通高度専門士課タックスアカウンティング講師を務める。
筑波大学大学院において、法人税法及び国際税務を研究し、修了。
現在は経営企画、セミナー、講師、論文・記事の執筆を中心に活動を行っている。