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TAX&ACCOUNTING MALL経理/会計グループ通算制度とは?連結納税が廃止で新たな納税制度に移行
2022.6.15 / 更新日:2022.06.16

グループ通算制度とは?連結納税が廃止で新たな納税制度に移行

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「グループ通算制度ってなんだろう?」
「グループ通算制度と連結納税制度の違いってなんだろう?」

連結納税が廃止され、2022年4月からグループ通算制度に移行するため、上記のような疑問をお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか?

従来、節税の手段として「連結納税制度」がありましたが、2020年度の税制改正によって、2022年の3月に「連結納税制度」が完全に廃止されることになりました。

連結納税制度の廃止に伴い、2022年4月から「グループ通算制度」へ移行します。

実際に「グループ通算制度」も、連結納税と同様に節税を期待することができる制度であり、法人税を削減し、会社の節税効果に期待できます。
「グループ通算制度」を利用したら、どこまで節税できるのか気になりますよね。

今回は、そんな「グループ通算制度」について、税理士法人ベリーベストが詳しく解説していきます。

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1、グループ通算制度とは?

(1)グループ通算制度の概要

グループ通算制度とは、グループ企業内の各法人が個別で法人税額を算出及び申告しながら、グループ企業内で損益通算の調整ができる制度のことをいいます
グループ通算制度によって、親会社の事務負担の減少や修正等が見つかってもグループでの再計算が不要になるというメリットが生まれました。

(2)グループ通算制度と連結納税制度の違い

グループ通算制度に移行した背景には、連結納税制度の事務負担が大きいことや、税務調査に多くの時間がかかることが要因として挙げられます。

グループ通算制度と連結納税制度の違いは、以下の表のとおりです。

グループ通算制度 連結納税制度
納税単位 各法人が個別で申告・納税 親会社が連結申告・連結納税
修正対応 各法人 グループ全体

 

連結納税制度では、グループ企業全体を一つの納税主体と捉えて、親会社が一括して法人税額を算出・申告していました。
グループ企業内の1つの法人に修正などがあった場合、グループ全体で修正する必要が生じます。
グループ企業全体を統括している親会社の事務負担が大きくなってしまうことが、連結納税制度の特徴でした。

一方で、グループ通算制度の特徴は、グループ企業内で各法人それぞれ個別に法人税を算出、申告をするという点です。
各法人それぞれ個別に法人税を算出・申告するため、1つの法人に修正などが生じても、その法人が修正に対応することが可能となります。

2、グループ通算制度の適用法人

「グループ通算制度の適用を受けたい」と思っても、全ての企業が適用を受けられるわけではありません。
グループ通算制度には、様々な条件のもと、適用法人が定められています。
本章では、グループ通算制度の適用法人について解説します。

(1)グループ通算制度の適用法人

グループ通算制度を受けるためには、親会社と子会社で完全支配関係があることに加えて、国税庁長官の通算承認を受けることが必要です。

適用法人の対象外となる条件は、以下の通りです。

①親会社

  • 清算中の法人
  • 外国法人を除くその他の普通法人または協同組合等との間に完全支配関係がある法人
  • 通算承認の取りやめの承認を受けた法人で、その承認日の属する事業年度終了後5年を経過する日の属する事業年度終了の日を経過していない法人
  • 青色申告の承認の取消通知を受けた法人で、その通知後5年を経過する日の属する事業年度終了の日を経過していない法人
  • 青色申告の取りやめの届出書を提出した法人で、その提出後1年を経過する日の属する事業年度終了の日を経過していない法人
  • 投資法人、特定目的会社
  • その他一定の法人(普通法人以外の法人、破産手続開始の決定を受けた法人など)

②子会社

  • 通算承認の取りやめの承認を受けた法人で、その承認日の属する事業年度終了後5年を経過する日の属する事業年度終了の日を経過していない法人
  • 青色申告の承認の取消通知を受けた法人で、その通知後5年を経過する日の属する事業年度終了の日を経過していない法人
  • 青色申告の取りやめの届出書を提出した法人で、その提出後1年を経過する日の属する事業年度終了の日を経過していない法人
  • 投資法人、特定目的会社
  • その他一定の法人(普通法人以外の法人、破産手続開始の決定を受けた法人等)

(2)グループ通算制度適用までの流れ

グループ通算制度を適用する主な流れは、以下の通りです。

  • ①税務署への申請
  • ②国税庁長官の承認
  • ③グループ通算制度加入

3、グループ通算制度の特徴

グループ通算制度について、ざっくりとした概要はご理解いただけましたでしょうか?
本章では、実際にグループ通算制度の特徴について解説します。
グループ通算制度の特徴として、次のようなことが挙げられます。

  • 個別申告方式
  • 損益通算|法人税の節税効果
  • 試験研究費をグループ全体で活用
  • 繰越欠損金の控除

(1)個別申告方式

グループ通算制度は、各法人が個別に法人税等を算出、申告を行います。
連結納税制度では、企業グループ全体で法人税を算出していたため、それにかかる事務負担が大きいというデメリットがありました。
グループ通算制度はそのデメリットを解消する形で、グループ企業内の各法人が個別で法人税額を算出及び申告しながら、グループ企業内で損益通算の調整をすることができます。

(2)損益通算|法人税の節税効果

グループ通算制度を適用すれば、企業グループ内に黒字の法人と赤字の法人がある場合、所得と欠損を相殺することができます。

その結果、親会社が黒字でも子会社が赤字であれば、納税負担額が減少することになるのです。
法人税の負担額が減少し、節税効果があることが、グループ通算制度を利用する最大のメリットであると言えます。

(3)試験研究費をグループ全体で活用

企業グループの中に、試験研究費などを多額に支出している法人があった場合、その試験研究費にかかる税額控除などは、グループ全体で計算することが可能です。

(4)繰越欠損金の控除

グループ通算制度導入前に生じた繰越欠損金は、各法人の所得の範囲で控除されます。

連結納税制度では、導入前に生じた親会社の繰越欠損金は、企業グループ内の子会社の所得から控除することができました。
グループ通算制度では、このメリットが廃止され、導入前に生じた親会社の繰越欠損金は、企業グループ内の子会社の所得から控除することができなくなりました。

4、グループ通算制度を利用する際の注意点

(1)グループ通算制度を導入するべきか

グループ通算制度の移行に伴って、連結納税制度を利用していなかった企業も検討していることはあると思います。

グループ通算制度を導入したからといって、大きな節税効果が見込めるかどうかは企業によって異なります。
グループ通算制度の導入・移行に迷っている場合、グループ通算制度の特徴を考慮して、メリットがデメリットを上回る場合であれば導入するべきでしょう。

導入するかどうか悩んでいる方は、専門家である税理士に相談してみるという選択肢もあります。
次章「5、グループ通算制度の導入に迷ったら税理士に相談を」で詳しく解説しております。

(2)グループ通算制度を利用しない法人も注意

グループ通算制度を利用しない企業も、制度の移行に伴って、単体納税の制度の改正が行われるため注意が必要です。

  • 受取配当等の益金不算入
  • 寄付金の損金算入限度額
  • 貸倒引当金等

などについて、単体納税制度の改正が行われます。

グループ企業を持つ会社は、単体納税を選ぶかグループ納税を選ぶかも検討することが必要でしょう。

5、グループ通算制度の導入に迷ったら税理士に相談を

ここまでで、グループ通算制度について詳しく紹介してきました。
実際に、グループ通算制度を利用するかどうかを決断できない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
グループ通算制度を導入するかどうかの判断で困ったら、税務のプロである税理士に相談してみましょう。

本章では、グループ通算制度に関する悩みや不安がある方にとって、税理士へ相談するメリットを紹介します。

主な税理士に相談するメリットは、以下の通りです。

  • グループ通算制度を導入するべき企業グループか判断してもらえる
  • ​​節税効果がどれくらいあるか計算してくれる
  • 煩雑な手続きをサポートしてくれる

(1)グループ通算制度を導入するべき企業か判断してもらえる

税理士は、経理や税務のプロというだけでなく、「経営」に関して精通していることも多いでしょう。

企業グループそれぞれの会社や、企業グループ全体としての現状の業績などを総合的にみてグループ通算制度を導入するべきか判断してくれます。
自社がグループ通算制度を利用してどんなメリットがあるのか、プロの視点からしっかり判断してもらえるでしょう。

(2)節税効果がどれぐらいあるか計算してくれる

グループ通算制度は、納税単位は各法人それぞれですが、損益通算をするなどの計算は煩雑です。

税務に精通した税理士に依頼すれば、正確に計算してもらうことが可能です。
実際にどれくらいの節税効果が出るかについても、明確に教えてもらえるでしょう。

(3)煩雑な手続きをサポートしてくれる

グループ通算制度を利用するにあたり、様々な書類を使用して申請する必要があります。
手続きが煩雑で混乱するかもしれませんが、税理士に相談すれば手続きを始め、さまざまな点で手厚くサポートしてもらえます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

2022年4月から、連結納税制度が廃止になってグループ通算制度へ移行します。
連結納税制度は、節税を期待する効果がありましたが、事務負担が大きいというデメリットがありました。

グループ通算制度は、その事務負担のデメリットを解消した制度で、導入を検討する企業も増えるかと思います。

制度を導入して運用していくためには、一定の知識も必要となるので、ぜひ税理士に相談してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者

荒井悠輔
荒井 悠輔

税理士法人ベリーベスト 経営企画室シニアマネージャー
株式会社ベリーベストサポートオフィス 代表取締役
資格の大原税理士講座簿記論講師、
文化服装学院ファッション流通高度専門士課タックスアカウンティング講師を務める。
筑波大学大学院において、法人税法及び国際税務を研究し、修了。
現在は経営企画、セミナー、講師、論文・記事の執筆を中心に活動を行っている。