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TAX&ACCOUNTING MALLバックオフィス業務年末調整を電子化して効率化するおすすめクラウドツール2選!
2021.1.28 / 更新日:2021.01.29

年末調整を電子化して効率化するおすすめクラウドツール2選!

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年末調整 電子化

「年末調整」、この言葉を聞くと多くの会社員が大きなため息をつきますが、本当にため息をつきたいのは経理担当者。

年末調整に関する書類の配布と回収、書類のチェックなどなど。
年末と言えば年末調整、年末調整といえば早く終わらせたい、というのが大方の経理担当者の意見です。

しかし、近年、年末調整業務をより効率的に終らせる方法があるというのを知っていますか?

それは、年末調整の電子化です。
年末調整を電子化すれば、書類の配布と回収、書類のチェックなどの特に時間のかかる業務が削減されます。
さらに、従業員自身も、面倒な年末調整書類の記入や控除額の計算の必要がなくなるのです。

この記事では、年末調整の電子化について、

  • 概要とメリット
  • 役に立つクラウドツール
  • 必要な準備

以上の3つを、詳しく解説していきます。

この記事を読めば、年末調整を電子化する方法が身に付き、業務の効率化を期待できます。
電子化による業務の効率化は、経理担当者や従業員のため息を減らすだけでなく、コスト削減と生産性向上をもたらすことでしょう。

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1、年末調整の電子化とは

年末調整の電子化とは

平成30年度の税制改正により、令和2年度分の年末調整から、以下の控除証明書等について、勤務先へ電子データで提供できるようになりました(年末調整手続の電子化に向けた取組について(令和2年分以降)―国税庁)。

  • 生命保険控除証明書
  • 地震保険控除証明書
  • 住宅借入等特別控除証明書

これを受けて、年末調整の電子化に向けた動きがより強まっています。

要約すると、今まで以上に多くの控除申告書と控除証明書が、電子データとして扱うことができるようになりました。

(1)これまでの年末調整の課題

これまで、年末調整手続きは紙ベースで行われてきました。

以下の図は、紙ベースで行われる一般的な年末調整の流れです。

実際の業務では、以上の流れのほとんどが、手渡し・手書き・手計算・手入力で行われるため、多くの工程に人的ミスのリスクが潜んでいます。
そして、その分追加の手間とコストも発生することになります。

具体的に、紙ベースでの手続きでは、以下のような問題がありました。

①従業員側の問題

  • 控除証明書等の管理不足による、紛失等
  • 控除額の計算ミス
  • 申告書への記入のミス

②会社側の問題

  • 控除申告書等のチェックの手間
  • 提出された書類の内容を給与システムへ入力する手間
  • 従業員への修正・再提出依頼の手間
  • 控除申告書等の保管のコスト

上記のような問題があることからも、これまでの紙ベースの年末調整は、従業員と会社の両方にとって負担となっていました。

年末調整の電子化は、これらの問題を解決することができるとされています。

(2)年末調整の電子化のメリット

年末調整を電子化することで、従業員と会社の両方に以下のようなメリットがあります。

①従業員側のメリット

電子化によって従業員が受けるメリットは、以下の通りです。

― 書類作成時のミスが減少する

控除申告書等の作成は、インポートされた控除証明書等の情報が自動で反映されることで、ほぼ自動で完了します。(※)
そのため、控除申告書等を手書きで作成する必要や、複雑な控除額の計算の必要がなくなり、人的ミスが減ります。

― 控除申告書等や控除証明書等の紛失リスクが減少する

控除申告書等や控除証明書等の情報は、データとして保存されます。
したがって、作成から提出、保管といった過程において、紛失する可能性が減少します。

②会社側のメリット

もちろん、会社側としても多くのメリットを受けられます。

― 控除申告書等のチェックの手間が減少する

控除申告書等の記載内容は、インポートされた控除証明書等の情報がそのまま反映されています。(※)

控除額についても、同様に自動で計算されます。わざわざチェックする必要はありません。
そのため、いままでの紙での作業と比べ、事務作業を圧倒的に圧縮できます。

― 給与システムへの手入力が不要になる

年末調整に関する情報は、電子データとなっているため、既存の給与システムへ電子データをインポートするだけで完了します。
ただし、給与システムがデータをインポートできるように、改修等が必要です。

― 控除申告書等の保管にかかるコストを削減できる

会社には、提出された控除申告書を7年間保存する義務があります。
紙であれば、保存場所の確保などにより、多大なコストがかかります。

もし、電子化を行えば、データとして保存できるため、保管場所のコスト削減が可能です。

※控除証明書等のデータのインポートについては、現在対応しているサービスが限られています(国税庁の年末調整控除申請書作成用ソフトウェア(年調ソフト)など)。あくまで、将来的に得られるメリットであることに留意してください。

2、年末調整にはクラウド会計ツールを活用しよう

年末調整にはクラウド会計ツールを活用しよう

現在、世の中には多くのITツールが存在しています。

もちろん、年末調整のためのツールも多種多様です。
そのため、どれを使えば良いか悩む方が多いのではないかと思われます。

そこでおすすめなのが、クラウドツールです。

クラウドツールであれば、

  • サーバの購入・維持費用がかからないため、初期導入コストが安い
  • インターネットがつながれば、どこでも利用可能
  • セキュリティ対策コストもかからない

といった多くのメリットを享受できます。

そこで、ここでは「人事労務freee」と「SmartHR」の2つのクラウドツールの年末調整について紹介していきます。

(1)人事労務freee

①概要

人事労務freeeは、freee株式会社が運営するクラウドサービスの1つです。クラウド給与計算ソフトとして、市場シェアNO.1を取ったこともあります。

給与計算、年末調整、勤怠管理、入退社管理など、人事労務管理業務を簡単に行うことができます。

②「人事労務freee」の年末調整

人事労務freeeを使った年末調整の大まかな流れは以下の通りです。

人事労務freeeの年末調整の特徴として、以下の4つが挙げられます。

― 進捗状況の一括管理

年末調整について、誰が、どこまで完了しているかが管理画面において、グラフで確認できます。
また、各従業員への修正依頼や催促のメールも、一括で行うことができ、年末調整の面倒な工程を効率よく行えます。

― 入力内容の自動反映

入力内容が自動で反映されるため、年末調整に関する書類の作成がほぼ自動で行えます。
年税額の計算や内容のチェックの時間も、大幅に軽減されるでしょう。

また、同じ人事労務freee内の給与計算システムと一体となっているため、年末調整を反映した給与計算も楽に行うことができます。

― 電子申告に対応

人事労務freeeは電子申告に対応しています。ペーパーレス化を進めたい場合におすすめです。


ここまで、人事労務freeeの年末調整について紹介してきましたが、1つ注意があります。

それは、人事労務freeeが控除証明書の電子発行に対応していないことです(2020年12月8日現在)。

控除証明書の電子発行に対する対応については、国税庁より年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)が提供されているため、こちらと組み合わせて対応する必要があります。

(2)SmartHR

①概要

 SmartHRは、株式会社SmartHRが提供する、人事労務業務の効率化をさせるクラウドサービスです。労務管理クラウドソフトとして、2年連続シェアNO.1となっています。

社会保険・雇用保険の書類の自動作成、オンラインでの雇用契約の締結、各種労務手続きなどの機能が備わっています。

②「SmartHR」の年末調整

SmartHRの年末調整の大まかな流れは人事労務freeeと同様です。

SmartHRの年末調整の特徴として、以下の2つです。

― 従業員をグループごとにまとめられる

従業員をグループごとにまとめて管理ができます。
年末調整が必要なグループや不必要なグループに分けたり、部署ごとに分けたりなど、管理しやすいようにまとめることが可能です。

― アンケート画面のヒントの編集が可能

従業員に入力を依頼した際の、入力画面に出るヒントを自由に編集できます。
年末調整は、扶養親族や配偶者、控除の種類などの難しい用語が多いです。

SmartHRでは、ヒントを編集することで、従業員が難しい用語に悩むことなく、入力を進めることができるようになります。
経理担当者への質問の回数も減り、経理担当者の負担も軽減されることでしょう。


ただ、1つ注意点として、SmartHRも人事労務freeeと同様に、控除証明書の電子発行に対応していません。

2021年以降の対応を検討しているようですので、当面は国税庁の年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)と組み合わせて対応する必要があります。

3、年末調整を電子化するための準備

年末調整を電子化するための準備

年末調整を電子化するために、具体的にどのような手順を踏めば良いのでしょうか。
会社側が行うべき作業について解説していきます。

①会社側が行うべき作業

年末調整の電子化に向けて、会社側が行う準備は以下の四つの手順で完了します。
以下、それぞれの手順について詳しく見ていきましょう。

― 電子化の実施方法の検討

電子化をするにあたって、従業員が使用する年末調整申告書作成用のソフトウェアを選びます。
国が無償で提供している「年調ソフト」か、民間企業の提供するソフトウェアなどから選ぶことになるでしょう。

また、ソフトウェアの選定に合わせて、電子化後の年末調整業務の流れをどうするかなどを検討します。

― 従業員への周知

法令上、電子化について従業員に周知させる義務はありません。

しかし、電子化を行うにあたって、従業員は控除証明書等の電子データを保険会社などから受け取るための準備が必要です。
使用するソフトウェアや、電子化後の年末調整業の流れについて早めに周知しておくことが重要となります。

― 給与システムの改修等

年税額の計算のために、控除証明書等や控除申告書等の電子データを給与システムにインポートする必要があります。

ただし、現在使用している給与システムがデータのインポートに対応していなければ、インポートすることはできません。
対応していない場合は、システムの改修等をしなければなりません。

改修等に関しては、使用している給与システムを提供する会社へ、問い合わせをしてみてください。

― 税務署への申請

従業員から控除申告書等や控除証明書等の電子データを受け取るためには、会社側が所轄税務署長から承認を受ける必要があります。
その際には、「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書」を提出しなければなりません。

承認を受けるためには、いくつかの要件を満たしていることが必要です。
その要件は、以下の2つの措置を講じることです。

電磁的方法による提供を受けるために必要な措置

これは、従業員から電子データを受け取る方法のことです。

具体的な例として、以下の方法が挙げられます。

  • インターネット経由のメール等で受け取る。(※1)
  • USBメモリ等で受け取る。(※1)
  • (社内LANなどで)勤務先と作成者である従業員のみアクセスが可能な領域に電子データを保存する。
  • 社内LANへのログインをしてもらい、メール等で受け取る。

※1 提出されるデータに電子署名を付す、またはパスワードを設定する必要があります。 

電磁的方法により提供する者の氏名を明らかにするために必要な措置

これは、提出された電子データが従業員本人から提出されたことを確認する方法です。
例えば、以下のような方法が挙げられます。

  • 従業員が電子データに電子署名を行い、その電子署名に係る電子証明書を電子データと併せて送信させて確認する。(※2)
  • 従業員に、識別符号(ID)及び暗証符号(パスワー ド)を渡し、勤務先に電子データを送信させて確認する。

より具体的な方法として、次のようなものがあります。ご参考ください。

  • 年末調整申告書データそのものにパスワードを付す
  • 社内 LAN 等に従業員個別のID・パスワードでログインしてもらい、その従業員のみに割りあてられた電子メールアドレスから送信させる

※2 マイナンバーカードに記録された電子署名及び電子証明書を利用することができます。


以上の準備が完了すると、電子データでの年末調整手続きを進めることが可能になります。

まとめ

以上、年末調整の電子化についての概要やメリット、役に立つクラウドツール、電子化のための準備について解説してきました。

今回の法改正を期に、年末調整を電子化してみてはいかがでしょうか。

時代の流れの観点からも、今まで紙で行われてきたあらゆる手続きが、今後は続々と電子データで行われるようになるでしょう。
現在起きている電子化の流れに乗り遅れないようにすることが、競争優位性を保つためにも、不可欠であるといえます。

もし、

「この流れに乗り遅れたくない!」
「でも、電子化した後の年末調整業務の仕組みづくりってどうすればいいの?」

と思っているのであれば、お近くの税理士に相談してみてください。

税理士にご依頼いただければ、

  • 電子化後の業務フローの構築
  • 自身の会社に合ったITツールの選定
  • その他各種対応

など、会計・税務・経営の専門的な見地からのサポートが可能です。
ぜひ、一度相談してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者

荒井悠輔
荒井 悠輔

税理士法人ベリーベスト 経営企画室シニアマネージャー
株式会社ベリーベストサポートオフィス 代表取締役
資格の大原税理士講座簿記論講師、
文化服装学院ファッション流通高度専門士課タックスアカウンティング講師を務める。
筑波大学大学院において、法人税法及び国際税務を研究し、修了。
現在は経営企画、セミナー、講師、論文・記事の執筆を中心に活動を行っている。