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TAX&ACCOUNTING MALL税金企業版(法人版)ふるさと納税の税額控除は9割?注意点・手続きまで解説
2021.11.4 / 更新日:2021.11.04

企業版(法人版)ふるさと納税の税額控除は9割?注意点・手続きまで解説

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ふるさと 納税 法人

個人でのふるさと納税は、特産品などのお返しが有名ですが、法人で利用する場合にもお得なリターンはあるのでしょうか。
「ふるさと納税が節税対策になるのは知ってるけど、実際にどれくらい効果があるのかは分からない……。」という方もいるかもしれません。
実は、2020年度の改正で、企業版(法人版)ふるさと納税の利用による一部税金の控除割合が2倍に引き上げられました。

今回の記事では、企業版(法人版)ふるさと納税の

  • 一般版ふるさと納税との違い
  • 利用するメリット
  • 注意点
  • 手続き方法

について、解説いたします。

ふるさと納税についての理解が深まり、法人での適切な活用へとつなげて頂ければ幸いです。

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1、「ふるさと納税」って何?個人と法人の違いとは?

「ふるさと納税」って何?個人と法人の違いとは?

ふるさと納税とは、自分の故郷などの応援したい自治体に対して、寄付という形で納税できる制度のことです。
ふるさと納税によって、特定の税に対する控除をはじめとした、様々な優遇措置を受けられるようになります。

また、ふるさと納税では、

  • 個人
  • 法人

上記それぞれの単位で、控除される税金や割合が異なります。

本章では、「2020年度の企業版(法人版)ふるさと納税の改正点」も含めて、個人・法人の違いについて確認しましょう。

(1)個人単位のふるさと納税「一般型ふるさと納税」

個人でのふるさと納税は、一般型ふるさと納税と呼ばれます。
一般型ふるさと納税の特徴は、主に以下3つです。

  • 寄付金のうち2000円を超える部分について、所得税・住民税の控除が受けられる
  • お礼品を受け取れる
  • 寄付したお金の使い道を指定できる

ただし、節税できる金額は以下の条件などによって異なります。

  • 収入
  • 家族構成

例えば4万円を寄付した場合には、所得・住民税について、3万8千円分に税率を乗じた税額控除がなされます。
実際にふるさと納税を利用する前には、「控除上限額シミュレーション(ふるさとチョイス)」などで確認してみましょう。

(2)法人単位のふるさと納税「企業版(法人版)ふるさと納税」

法人でのふるさと納税は、「企業版(法人版)ふるさと納税」と呼ばれます(正式には「地方創生応援税制」)。
企業版(法人版)ふるさと納税の特徴は、主に以下の5つです。

  • 寄付金額は10万円から
  • 寄付金のうち最大9割について、法人税・法人住民税・法人事業税の控除が受けられる
  • お礼品は受け取れない
  • 寄付対象は、自治体が作成した地方創生に係る事業(内閣府に認定されたもの限定)
  • 寄付先の事業に参加できる

個人の場合と比べ、寄付金額の下限や控除額、手続き方法などが大きく異なります。
企業版(法人版)ふるさと納税の詳しいメリットや注意点については、次章以降で解説します。

(3)2020年度の「企業版(法人版)ふるさと納税」の改正点

2020年度の「企業版(法人版)ふるさと納税」の改正では、特例措置の2025年3月までの延長と合わせて、節税面での大きな優遇措置が取られました。
2020年度の主な改正点は、以下の3つです。

  • 税額控除割合が従来の2倍
  • 併用可能な補助金や交付金の拡大
  • 認定手続きの簡素化

具体的には、次の表のように控除割合が引き上げられ、最大で寄付額の9割を節税に利用できるようになったのです。

法人版ふるさと納税(税目ごとの特例措置)

法人版ふるさと納税(改正)

(引用:企業版ふるさと納税の拡充・延長―内閣府)

また、事業の認定手続きが簡素化され、寄付対象となる事業先の増加が期待されています。
以上のように、企業版(法人版)ふるさと納税の改正は、自治体・企業の双方にとって、大きなメリットのある改正になりました。

2、企業版(法人版)ふるさと納税のメリットは?

企業版(法人版)ふるさと納税のメリットは?

法人で利用できる企業版ふるさと納税のメリットは、次の3つが挙げられます。

  • 節税効果(法人税、法人住民税、法人事業税の控除)
  • 社会貢献のPR
  • 地方自治体との関係強化

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

(1)節税効果(法人税などの一部控除)

企業版(法人版)ふるさと納税には、大きな節税効果(最大で寄付金額の9割控除)があります。

具体的には、下表のような割合で、寄付金額を各税金の控除に利用できるのです。

寄付金額における
控除に利用できる金額の割合
控除できる税金
3割 ・国税
・地方税
4割 ・法人住民税
・法人税
(法人税の控除は、法人住民税が4割に達しない場合のみ)
2割 法人事業税

ただし、以下の税目については、控除の上限があります。

税目 控除上限
法人税 法人税額の5%、寄付額の1割
法人住民税 法人住民税法人税割額の20%
法人事業税 法人事業税額の20%

*この上限のため、必ずしも9割の税額控除を受けられる訳ではありません。

(2)社会貢献のPR

1、(2)法人単位のふるさと納税「企業版(法人版)ふるさと納税」」でも紹介しましたが、企業版(法人版)ふるさと納税には、次のような特徴もあります。

  • 自治体が作成した地方創生に係る事業が寄付対象である
  • 寄付先の事業に参加できる

以上のことから、法人でのふるさと納税は、SDGs達成や自治体への社会貢献であるといえるでしょう。

また、ふるさと納税を行うことで「地方創生に取り組む企業」としてのPRにもなります。
国から認可された事業が寄付対象なので、信憑性の高いCSR活動としてアピールでき、企業のイメージアップが期待できます。

(3)地方自治体との関係強化

ふるさと納税をきっかけに、地方自治体との関係を強化することも、企業にとってのメリットになります。
企業版(法人版)ふるさと納税には人材派遣型という、寄付した事業に自社の人材を派遣できる制度があります。
ノウハウを持った人材を送ることで、次のことが期待できるのです。

  • 寄付先の事業活性化
  • 地方の雇用創生
  • 自社の人材育成

また、地方自治体との新たな関係を築いていくことで、自社が展開する事業に適した地域に出会えるかもしれません。

3、企業版(法人版)ふるさと納税の注意点は?

企業版(法人版)ふるさと納税の注意点は?

企業版(法人版)のふるさと納税の注意点には、次の4つが挙げられます。

  • 実質的な金銭負担がかかる
  • 直接の経済的なリターン(返礼品など)はない
  • 本社のある自治体には寄付できない
  • 寄付額には上限・下限がある

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

(1)実質的な金銭負担がかかる

ふるさと納税に節税効果があることは確かですが、実質的な金銭は「マイナス」になります(最低でも寄付額の1割は負担する必要あり)。
地方への応援という形からも、ふるさと納税を利用することで、金銭的なリターンを得られるというものではありません。

ただし、さまざまな税制措置によって、本来よりも大幅に少ない金額で、地域社会へ貢献できることが、企業版(法人版)のふるさと納税の魅力になります。

(2)直接の経済的リターン(返礼品など)はない

企業版(法人版)のふるさと納税には、一般型ふるさと納税のような返礼品はありません。
寄付の対価として、以下のような直接的な利益を受け取ることは、禁止されているのです。

  • 返礼品
  • 入札での便宜
  • 有利な利子での融資

ただ、ふるさと納税による企業のイメージアップによって、間接的なリターンが期待できる可能性はあります。

(3)寄付できる自治体に制限がある

企業版(法人版)ふるさと納税では、基本的にはどこの自治体を選んでも問題ありません。

しかし、以下の条件に該当する自治体への寄付はできません。

  • 企業の本社がある自治体
  • 地方交付税の不交付団体である自治体
  • 不交付団体で三大都市圏の既成市街地などにある自治体

既成市街地とは、産業や人口が密集し、既に開発が進んでいる市街地です。
具体的には、次のような地域を指します。

  • 東京23区
  • 東京都武蔵野市の全域
  • 東京都三鷹市、神奈川県横浜市と川崎市、埼玉県川口市の一部

(4)寄付額には上限・下限がある

企業版(法人版)ふるさと納税の下限は、10万円です。
上限については、確定した事業費の範囲内とされています。
企業版ふるさと納税の寄付上限額(目安)シミュレーション(企業版ふるさとチョイス)」では、以下の情報を入力することで、大体の寄付金額の上限額が分かります。

  • 本社所在地
  • 課税所得
  • 資本金

詳細な金額について知りたい場合は、顧問税理士等にご相談ください。

4、企業版(法人版)ふるさと納税の手続き方法

企業版(法人版)ふるさと納税の手続き方法

企業版(法人版)ふるさと納税は、地方公共団体からの働きかけから始まり、次の流れを経て企業は税額控除が受けられます。

  1. 地方公共団体が、事業を企画・立案する。
  2. 企業へ相談し、事業への寄付の見通しを立てる。
  3. その後、地域再生計画として、事業を内閣府に申請する。
  4. 内閣府は認定後、事業を公表する。(企業はこの公表を見てから事業への寄付に参加することも可能。)
  5. 地方公共団体は、認定を受けた事業を実施し、事業費を確定させる。
  6. 事業費が確定した後、企業は事業への寄付が可能になる。
  7. 寄付を受けた地方公共団体は、企業に領収書を交付。
  8. 上記の領収書に基づき、地方公共団体や税務署に申告することで、優遇措置を受けられる。

企業がふるさと納税を行うには、Webサイトから応援したい事業を探し、寄付するという流れが一般的です。

(1)企業版(法人版)納税サイトから事業を選び、寄付する

以下のようなサイトで事業内容や地域から、ふるさと納税の対象事業を探せます。

応援したい事業が見つかったら、担当の自治体に問い合わせ、寄付するという流れです。
本項では、企業版(法人版)ふるさと納税サイトの内容について解説します。

①ふるさとコネクト

ふるさとコネクト
出典:ふるさとコネクト

「ふるさとコネクト」は、大手旅行会社「JTB」が運営する、企業版(法人版)ふるさと納税専用のサイトです。
次のようなさまざまな項目から、対象事業を検索できます。

  • おすすめ、新着
  • 寄付金額
  • 都道府県
  • SDGs

応援したい企業を見つけたら、

  1. 金額の決定
  2. アカウント登録
  3. 決済(クレジットor口座振込)

以上の流れを数分で完了できます。
サイト内で寄付することで、

  • 寄付した事業の最新情報の閲覧
  • 寄付金受領証明書のやり取り
  • 寄付した事業ページへの企業名、ロゴ掲載
  • 自治体への事業提案、事業参画

以上のことが可能です。

②ふるさとチョイス

ふるさとチョイス
出典:ふるさとチョイス

「ふるさとチョイス」は、掲載数No.1のふるさと納税総合サイトです。
ふるさとチョイスでは、

  • エリア地域
  • 事業内容

から、納税対象事業を探せます。

企業版(法人版)ふるさと納税の手続きは、

  1. 応援したい事業を見つける
  2. 記載されている問い合わせ先に連絡する

という流れです。

また、サイト内には、

  • 本店所在地
  • 課税所得
  • 資本金

以上の3つを入力するだけで、目安となる寄付上限額がわかる機能もあります。

③企業版ふるさと納税ポータルサイト

企業版ふるさと納税ポータルサイト
出典:企業版ふるさと納税ポータルサイト

「企業版ふるさと納税ポータルサイト」は、内閣官房・内閣府総合による、企業版(法人版)ふるさと納税に関するサイトです。

サイト内では、

  • 特に寄附を募集している事業や分野
  • 地域
  • キーワード

以上の項目から、納税対象事業を探せます。
ふるさとチョイスと同様に、応援したい事業を見つけたら、記載されている自治体に連絡を取りしょう。

また、企業版(法人版)ふるさと納税に関する、以下の項目についての詳細な説明を閲覧できます。

  • 活用事例
  • 制度概要
  • 関連法令等
  • 公表資料
  • 対象事業の認定について

5、企業版(法人版)ふるさと納税など税金関係で悩んだら税理士に相談しよう

企業版(法人版)ふるさと納税など税金関係で悩んだら税理士に相談しよう

法人でのふるさと納税は初めてで、どういった事業に寄付すれば良いか分からないという方もいらっしゃるでしょう。
本章では、企業版(法人版)ふるさと納税に関する悩みや不安がある場合に、税理士へ相談するメリットについて解説します。

(1)ふるさと納税での節税を最大限に活かす金額を計算してくれる

法人でのふるさと納税の節税メリットを最大限に活かすためには、

  • 寄付する年度での課税所得
  • 各税目で定められている控除上限
  • 各年度の国税率、地方税率

などを考慮した、適切な計算が必要になります。

また、複数の事業へ寄付や、ふるさと納税以外でも寄付している場合には、それぞれの控除金額を正確に計算することも重要です。
税理士に相談すれば、ふるさと納税での節税を最大限活かす金額を、正確に計算してくれるでしょう。

(2)その他の節税方法についてアドバイスしてくれる

税理士に相談することで、ふるさと納税以外での節税対策についてアドバイスしてくれるでしょう。
自社にとって一番無駄なく、最適な形での社会貢献を検討されているなら、会計と税金のプロである税理士に相談することをおすすめします。

まとめ

今回は、「企業版(法人版)ふるさと納税」について解説しました。
企業版(法人版)ふるさと納税は、個人でのふるさと納税と比べると、控除対象となる税目や税率、下限金額や返礼品についてさまざまな違いがありました。

ふるさと納税は、節税効果のあるものですが、利用には実質的な金銭負担を伴います(法人では、最低でも寄付額の1割負担)。

しかし、2020年度の改正によって、非常に割安な金額で社会貢献活動がPRできるようになりました。
自治体の創生事業を応援することで、将来的なリターンも期待できるため、 活用を検討してみてはいかがでしょうか。
もし、企業版(法人版)ふるさと納税を含め、寄付や節税などで悩みがある場合には、税理士へ気軽に相談することをおすすめします。

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この記事の監修者

荒井悠輔
荒井 悠輔

税理士法人ベリーベスト 経営企画室シニアマネージャー
株式会社ベリーベストサポートオフィス 代表取締役
資格の大原税理士講座簿記論講師、
文化服装学院ファッション流通高度専門士課タックスアカウンティング講師を務める。
筑波大学大学院において、法人税法及び国際税務を研究し、修了。
現在は経営企画、セミナー、講師、論文・記事の執筆を中心に活動を行っている。