競合調査をするメリットとは?基本的な進め方と便利ツール4選を紹介
競合調査は、事業を成長させるために本当に必要なのだろうか……。
そもそも競合調査のやり方がわからない……。
などと、お悩みの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
近年、競合調査を実施し、他社と差別化していく重要性が増しています。
なぜなら、よく似たサービスや商品が、世の中にたくさん出回っているからです。
今回は、競合調査の概要について説明したうえで、
- 競合調査を行うメリット・デメリット
- 競合調査の適切な進め方
- スムーズに競合調査をするためのフレームワーク
について解説します。
あわせて、競合を調査する際ににおすすめのツールについても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
競合調査で頭を悩ませている方にとって、少しでもこの記事が参考になれば幸いです。
競合企業と差別化を図って、自社の強みを存分に活かしましょう。
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1、競合調査とは
競合調査とは、ライバル企業と自社の事業を比べて、さまざまな項目のデータ分析をすることをいいます。
本章では、競合調査の目的について解説したうえで、以下の項目について詳しく説明します。
- 市場調査との違い
- 競合調査の基本的な項目
(1)競合調査の目的
競合調査の目的は、競合他社の販売戦略や長所・短所を理解することで、競合他社にはない自社の差別化ポイントを見つけることです。
簡単に言えば、「相手を知ることで、自分を理解すること」になるでしょう。
圧倒的なストロングポイントがあれば、価格以外の部分での勝負も可能です。
(2)市場調査との違い
競合調査とよく似た言葉として、「市場調査」というものがあります。
市場調査の一作業として、競合調査を実施することもありますが、両者は全く違います。
市場調査の目的は、数値によって、業界や顧客だけでなく取引先の調査を行い、ニーズを見つけ出すことです。
これは、新しい商品やサービスを開発する上での、手がかりを発見することにつながります。
大きい視点で捉えて、総合的に市場全体を調査していくものです。
一方、競合調査は、「既に世の中に出回っている商品やサービス」を、「どのような施策で販売していくか」を考えます。
(3)競合調査の基本的な項目
競合調査の基本的な項目としては、以下のとおりです。
- ビジネスモデル
- 商品・サービス
- Webサイト
- 販売戦略
- 商流
本項では、上記の競合調査の項目について解説します。
①ビジネスモデル
自社のビジネスモデルを見直したい場合、よく似たビジネスモデルをしている競合企業を洗い出します。
例えば、以下の項目について、それぞれ調査していきましょう。
- 事業の規模感
- 商品展開
- 顧客の階層(ターゲット層)
- 経営戦略 など
②商品・サービス
競合の商品やサービスを調査するときは、ネットから確認できる表向きの情報に加え、実際に使用してみることも重要です。
例えば、以下の項目について、それぞれ調査していきましょう。
- 提供商品の価格や特徴
- お客様へのアフターサービス
- 口コミや購入体験 など
③Webサイト
HPやECサイトは、競合調査のなかでも企業の戦略が反映されやすいため、読み解いていく必要があります。
例えば、以下の項目について、それぞれ調査していきましょう。
- 基本コンテンツの種類
- 更新回数
- デザイン(クリエイティブ要素)
- レイアウト
- 携帯やパソコンからの見やすさ
- 画像や動画の数
- アプリとの連携
- 商品購入までの導線 など
④販売戦略
競合企業の販売戦略を分析することで、どのように売り出しているか把握できます。
自社の販売戦略を改善したい場合は、以下の項目についてそれぞれ調査しましょう。
- 販売方法や場所(通販・店舗)
- 集客方法(広告・PR・イベント出典)
- キャンペーン(無料トライアル・初回割引) など
⑤商流
商品やサービスを販売するまで、原材料の仕入れや加工・卸売業者の介入、配送など多くの工程を挟むためコストがかかります。
競合企業がどのような工夫をしているのか、以下の項目についてそれぞれ調査しましょう。
- 自社でのインハウス化
- 業務委託の契約状況仲介業者の介入状況
- 受注や発注の手法
- 在庫管理 など
2、競合調査を行うメリット・デメリット
前章では、競合調査の概要や目的について解説してきました。
ここでは、競合調査を行うことによるメリット・デメリットについて紹介していきます。
(1)競合調査を行うメリット
企業が競合調査を行うメリットは、以下のとおりです。
- 競合企業を分析することで、差別化対策を実施できる
- 競合企業と比べることで、自社の強みと弱みを把握できる
- 業界のトレンドを発見できる
- 新たな販売戦略ルートの開拓や価格の見直しができる
以上のように、競合調査は、企業を成長させ続けるために不可欠となる調査です。
(2)競合調査を行うデメリット
企業が競合調査を行う最大のデメリットは、競合を分析して戦略を実行するまでに、「時間と費用が必要になること」です。
社会が変化し続けるように市場も目まぐるしく変化し続けるため、今日通用していることが明日通用しなくなる可能性があります。
以上のことから、競合調査は1回だけでなく、継続して行い続けましょう。
競合調査に時間と費用をかけることは、企業が成長するための投資です。
3、競合調査の適切な進め方
競合調査を適切に進めるためには、以下の手順で行いましょう。
- 目的を定める
- 競合となりうる対象を定める
- 仮説立てを行う
- 実査
- 報告書にまとめる
それぞれの項目について、詳しくみていきましょう。
(1)目的を定める
まず、競合調査をどのような目的で行うのかを定めることが、最も重要です。
目的を明確に定めておかなければ、最適な改善策を導き出すことができません。
具体例は以下のとおりです。
- ビジネスモデルの改善
- 商品・サービスの改良
- Webサイトの改善
- 販売戦略の改善
- 商流の改善
- 新商品やサービスの開発
明確な目的を定めることで、これ以降のステップで進むべき指標が決定します。
競合調査の時間を短縮することにも繋がるでしょう。
(2)競合となりうる対象を定める
競合対象となりうるのは、一概に同じサービスや商品、業界だけとは限りません。
例えば、商品が万年筆の場合、真っ先にボールペンが思い浮かぶと思います。
しかし、万年筆を贈り物と捉えるならば、ギフト商品も競合の一種になるでしょう。
重要なことは、似たお客様(顧客)をターゲットとしているかです。
その他にも、例えば以下のような対象が考えられます。
- 知名度・売上規模が似ている商品やサービス
- 価格が似ている商品やサービス
- 販売戦略が似ている商品やサービス
- 急成長している商品やサービス
最低でも、3社ほどは競合を洗い出すことをおすすめします。
さまざまな角度から競合対象を分析し、最適な改善策を打ち出しましょう。
(3)仮説立てを行う
競合調査の目的と対象を定めたあとは、自社の強みと弱みをピックアップしましょう。
自社の強みなどのピックアップしたら、自社の課題に対して仮説を立てます。
例えば、以下のような仮説です。
〇〇な対策を行うことで、ライバル企業にはない〇〇な強みを発揮できるに違いない。 |
仮説立てでは、コロナウィルスやテレワークなどの直近の社会情勢も視野に入れて、最適な仮説を立てることが重要です。
仮説をもとにして、比較すべき調査項目が決まります。
仮説を確かめる作業が競合調査になることを、念頭に置いて作業を進めましょう。
(4)実査
実査とは、競合調査の実施から分析までの工程のことを表した言葉です。
競合調査のWEBサイトのリサーチや直接訪問、アンケート調査などにより、データ収集・分析する段階となります。
調査項目ごとに、自社と競合企業を比較して、仮説立てした差別化ポイントが正しかったのか確認します。
仮説が間違っていた場合は、再度仮説を立てて検証を行いましょう。
実査においては、5C分析や4P分析、SWOT分析などのフレームワークを利用することで、簡単に比較・分析できます。
上記分析方法について、詳しくは次章で解説します。
(5)報告書にまとめる
競合調査して終わりではなく、調査結果を活用していかなければ意味がありません。
一目で理解しやすい資料作りを行い、上層部に提出しましょう。
その際、必ず結果に基づいた提案を盛り込むことが重要です。
4、スムーズに競合調査をするためのフレームワーク
これまで競合調査の概要や進め方について解説してきましたが、実際に競合調査を行うことは決して容易ではありません。
本章では、競合調査をスムーズに進めるためのフレームワークを紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
(1)5C分析
5C分析は、競合調査における主要なフレームワークの1つです。
市場構造の現状を理解して、適切な戦略を立てるために必要な5つの要素を示したものです。
- Company(自社の理解)
- Consumer(消費者の理解)
- Competitor(競合他社の理解)
- Customer(流通など中間顧客の理解)
- Community(ビジネスをとりまく地域社会の理解)
上から3つのC(Company・Consumer・Competitor)だけの場合、「3C分析」と呼ばれています。
今までは3C分析が主流でしたが、現在は5C分析が主流になっています。
(2)4P分析
4P分析は、マーケティングミックスとも呼ばれる分析方法の1つです。
継続的に利益を上げ続けるために必要な、4つの要素で構成されています。
- Product(プロダクト):製品
- Price(プライス):価格
- Place(プレイス):流通
- Promotion(プロモーション):販売促進
4P分析は、企業側の視点でどのように売るかを考えます。
つまり、商品やサービスの売れ行きに悩んでいるときの、販売戦略構築に役立つ分析方法です。
(3)SWOT分析
SWOT分析は、5C分析や4P分析と並んで、頻繁に利用されるフレームワークの1つです。
課題を明確にし、今後の戦略やビジネスチャンスを創出するために、以下の4つの要素があります。
- S:Strength(強み)
- W:Weakness(弱み)
- O:Opportunities(機会)
- T:Threats(脅威)
SWOT分析は、内部要因と外部環境のそれぞれについて、プラスとマイナス面に分けて分析します。
内部要因は、企業の努力次第で変えられるもので、具体的には次のようなものです。
- 価格
- 品質
- ブランド力 など
外部環境は、企業の努力では簡単に変えられないもので、具体的には次のようなものです。
- 政治
- 法律
- 業界トレンド など
以上のことから、企業の現状や世情などからリスクとチャンスを把握し、これから重点的に投資すべきポイントを定めることで、新たなマーケティング戦略の策定に役立ちます。
5、競合調査をするリソースが足りない場合におすすめのツール4選
本章では、競合調査におすすめのツールを4つ紹介します。
これらは、人材リソースが不足している企業を手助けてしてくれるでしょう。
(1)Similarweb
Similarwebは、データ分析が得意ではない初心者におすすめのツールです。
競合サイトの訪問者数やエンゲージメント、流入元、広告戦略など競合サイトの状況を一目で確認できる優れものです。
競合企業に限らず、市場調査や業界分析、トレンドの特定なども同時に行ってくれます。
(2)Semrush
Semrushは、世界で700万人のユーザーが利用しており、信頼と実績のある分析ツールです。
極めつけは、レポート機能が備え付けられていること。
ゆえに、クライアントや上司への資料作成の手間を省けます。
導入後も、電話やメールに加え、個別対応やセミナーも行ってくれるため、サポート体制に安心があります。
(3)eMark+
eMark+は、国内30万人を超える行動ログモニター会員による、消費者パネルを活用できる分析ツールです。
特徴は、性別や年齢、エリアなど、ユーザー属性を詳しく統計的に把握できるだけでなく、アンケート調査も実施できることです。
無料トライアルを利用できるため、本格的に導入を検討する前に気軽にツールを試せます。
(4)AIanalyst
AIanalystは、人工知能を利用した新しい分析ツールの1つです。
本ツールのポイントは、Googleアナリティクスと連携させるため、面倒なタグ埋めが必要なく、初期設定が簡単にできることです。
成果につながる改善ポイントをAIが教えてくれるため、初心者でも利用しやすいでしょう。
6、競合調査における注意点
これまで、競合調査について詳しく説明してきました。
本章では、競合調査を成功させるために、注意すべきポイントについて解説していきます。
(1)競合調査は会社だけで終わらない
競合調査は、競合の会社だけを対象として行えばいいわけではありません。
社会情勢や景気にともなう消費者の動きや、地域ごとの文化など、調査対象は非常に数多くあります。
例えば、最近ではコロナウィルスの影響で消費者の購買活動に変化が現れてきています。
ただ、競合調査に時間とコストを費やしすぎることも良くありません。
調査対象の中で、重要になりうる可能性がある項目から順番に行いましょう。
(2)相手より先手を打つことが重要
競合調査はライバル企業より、先手を打つことが肝心です。
自社が分析していることは、他社が分析していても何も不思議ではありません。
ゆえに、競合企業が気づく前に自分たちが発見する必要があります。
業界のトレンドは日々進化していくため、競合に遅れを取らないようにしましょう。
(3)一度きりの競合調査で終わらせない!定期的にPDCAを回す
競合調査を一度行っただけで、満足している企業が数多くあります。
しかし、世の中に、唯一無二の商品やサービスはありません。
次々と類似商品が発売されるため、既存商品をアップデートし続ける必要があります。
延々と続く競合調査の負担を減らすためにも、分析ツールを導入して、手間を省いていくことをおすすめします。
まとめ
今回は、競合調査における進め方や便利ツールについて解説してきました。
競合調査は、企業の戦略を考えるうえで重要な要素の1つです。
自社の商品やサービスについて競合相手との差別化を図るために、いち早く競合調査に取り掛からなければなりません。
競合調査は簡単そうに見えて、非常に大変な作業です。
この記事を参考に、上手に社内へ競合調査のツールを導入し、競合企業との差別化を図っていきましょう。
なお、競合調査を含め、「会社経営」について不安や疑問がある場合には、税理士への相談がおすすめです。
会社経営に関して税理士へ相談・依頼することで、
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- ツール導入を否認されないための税務処理の指導等
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などのサポートが可能です。
他にも、経理・会計や税金の面で、さまざまなサポートをしてくれます。
不安があったら、気軽に税理士へ相談しましょう。
税理士にご相談頂いた方がよい可能性があります。
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