バックオフィス業務効率化のメリットや方法を解説【DX?】
バックオフィス業務を効率化させたいけれど、どのような方法があるのだろう……。
経理や人事、労務、総務、法務など、日々大量の業務にいっぱいいっぱいになっている……という経営者や社員の方は多いのではないでしょうか。
特に経営者にとって、バックオフィス業務を効率化させ、より重要な業務に着手できるようになるのは理想ですよね。
今回は、
- バックオフィス業務が抱えている課題や重要性
- バックオフィス業務を効率化させるメリット
- DX(デジタル・トランスフォーメーション)
- バックオフィス業務効率化の具体的なサービス
について、解説します。
実際にバックオフィス業務効率化のためにサービスを導入することで、バックオフィス業務の効率向上が期待できます。
今までバックオフィス業務で手一杯だった業務量に余裕が生まれ、本来やりたい業務に手を付けられるようになるでしょう。
結果として、バックオフィス業務担当としても会社の業績アップに貢献できます。
この記事を参考に、社内のバックオフィス業務を効率化させ、会社の業績アップに繋げていただければ幸いです。
また、本記事は「べリーベスト税理士事務所の公式YouTubeチャンネル」で公開されている以下の動画と連動しておりますので、ぜひ併せてご覧ください。
知らなきゃまずい!【DX】と【バックオフィス合理化】について解説します
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1、バックオフィス業務とは|課題や重要性について
まずは、バックオフィス業務について説明します。
バックオフィス業務が抱えている課題や重要性について理解しましょう。
(1)バックオフィス業務とは
バックオフィス業務は、クライアントと直接やりとりをすることがない業務のことです。
セールスや顧客対応がメインの営業やマーケティングなどの部門のサポートがメインとなります。
バックオフィス業務には、次のような職種があります。
①経理
経理では、会社のお金の出入りを正確に管理します。
②総務
総務では、備品の管理や株主総会の企画運営、社内イベントの企画運営などの会社全体に関わる業務を行います。
③人事
人事は、社員の採用や教育、評価などの人材に関する業務を行う職種です。
④財務
財務では、会社で将来使う資金について、金融機関から融資を受けたり株式の発行や投資などを行ったりして、資金を確保するための業務を行います。
⑤法務
法務は、会社に関する法律業務を行います。具体的には、契約関係やコンプライアンス、社内外での訴訟対応などです。
⑥庶務(一般事務)
資料作成や電話・来客対応、郵便物の管理など、さまざまなバックオフィス業務を行います。
(2)バックオフィス業務が抱えている課題
バックオフィス業務に従事している方のなかには、常にタスクが積み重なってしまい、行うべき業務ができない……とお悩みの方も多いでしょう。
バックオフィス業務が抱えている課題として、本来行うべき業務が一向にできず、社内の業務効率が非常に悪くなっているということがあります。
この課題を解決させるためには、バックオフィス業務を効率化させることが最善策です。
では、バックオフィス業務を効率化させる重要性とは何なのか、次の項で説明します。
(3)バックオフィス業務の効率化させる重要性
「(1)バックオフィス業務とは」で紹介したようなバックオフィス業務は、「間接部門」とも呼ばれています。
営業部門やマーケティング部門が行う業務のように、会社の売上に直接関係する業務ではありません。
しかし、バックオフィス業務は企業経営にとって非常に重要な役割を果たすため、会社に必要不可欠な重要な業務です。
バックオフィス業務が積み重なることで社員の負担が大きくなり、社員のモチベーションが下がってしまうことが懸念されるでしょう。
バックオフィス業務を効率化させると、社員の仕事に対するモチベーションアップを期待できるため、効率化は重要な手段といえます。
さらに、バックオフィス業務が効率化されれば、売上・利益のアップにも繋がります。
より重要性が高い「事業を成長させること」に人材やお金などの資源を集中できるからです。
バックオフィス業務を効率化することで、人件費などを節約することができます。
先ほどお話ししたような社員のモチベーションアップも、事業成長に欠かせないでしょう。
2、バックオフィス業務を効率化させる4つのメリット
バックオフィス業務の効率化には、次のようなメリットが挙げられます。
(1)コスト削減
バックオフィス業務の効率化によって、さまざまなコストを減らせます。
今までバックオフィス業務のために支払われていた派遣社員やアルバイトの人件費を抑えたり、正社員の残業時間を減らしたりできるのです。
また、ペーパーレスにしたりクラウドサービスを利用したりといった方法で効率化させることで、コピー代や用紙代、インク代などを削減できるでしょう。
(2)生産性が向上し事業が成長する
バックオフィス業務を効率化させることで、社内の生産性が向上します。
これまでバックオフィス業務を行ってきた社員は、事業成長に関わる業務に時間を費やすことが可能です。
結果として、より重要な業務を集中して短時間で丁寧に遂行できるため、日々の業務の生産性が上がるでしょう。
業務に余裕ができると新たな事業に取り組むことも可能になり、会社全体の生産性を向上させ、事業成長を期待できるのです。
(3)柔軟な働き方ができる
詳しくは「3、バックオフィス業務を効率化させるための方法」で説明しますが、バックオフィス業務効率化の方法として「クラウドサービス」というツールがあります。
クラウドサービスを取り入れると、オフィスでしかできない業務を減らせるため「オフィスに出社する必要」がなくなるのです。
業務を省力化させられるのでフレキシブルな働き方が可能となり、場所や時間にとらわれない柔軟なワークライフを採用できるでしょう。
(4)社員のやる気が上がる
バックオフィス業務効率化によって、社内での単純作業や雑務を減らせるようになります。
社員は、より専門的な業務を任せられ、集中して業務に取り組むことが可能です。
その結果、「会社に必要とされている」と実感でき、社員の仕事に対するモチベーションがアップするでしょう。
3、DX!バックオフィス業務を効率化させるための方法
バックオフィス業務を効率化した結果として、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉をご存知でしょうか。
2020年、菅義偉首相は行政手続のデジタル化を促進するために「デジタル庁」の創設方針を発表したことは記憶に新しいですよね。
2019年5月には、「デジタル手続法」が成立しています。
この法律の目的は、「デジタル技術を活用して行政手続などの利便性を向上させること」です。
デジタル手続法には、行政のみならず民間企業がデジタル化するための教示が含まれています。
例えば、行政で業務全般を整理して必要な部分を残し、残った部分をデジタル化する「デジタルファースト」を掲げています。
民間企業においても、会社に必要な業務を適格に把握して、デジタル化することで「DX」になるのです。
ここでは、DXについての解説と、バックオフィス業務を効率化させるための方法を紹介します。
(1)DXとは
DXとは、単に「アナログな業務をデジタル化させる」ことだけを意味するものではありません。
業務をデジタル化させることで、「仕事そのものが大きく変わっていくこと」を意味するのがDXです。
「音楽プレイヤー」を例に、もう少し具体的にDXについて説明します。
明治時代、好きな音楽を聴くためにはレコードを蓄音機にかけて聴くという手段をとる必要がありました。
昭和から平成初期にかけて、カセットテープに録音したりCDにダビングしたりなどといった手順で、自分の好きな音楽をカスタマイズできるようになります。
このように、アナログの情報を部分的にデジタル化することが「デジタイゼーション」です。
平成中期にはiPodやウォークマンといった製品が発売され、デジタルデータ化された音楽が主流になりました。
デジタイゼーションとは異なり、過程から結果まで全体的に情報をデジタル化することを「デジタライゼーション」といいます。
現在ではスマートフォンが主流となり、多くの音楽再生アプリが存在しています。
より手軽に音楽を聴けたり音楽を情報として共有できたりと、音楽プレイヤーの概念を大きく変えていますね。
このように、結果として社会的に影響を与えるようになったものが「DX」です。
以上のような音楽プレイヤーのDX事例を会社に当てはめてみましょう。
業務をデジタル化することによって、「社内組織やビジネスモデルを改変し続け、価値提供の方法を根本的な部分から変えていくこと」がDXといえます。
(2)バックオフィス業務効率化によるDXの重要性
DXは、利益率の違いが圧倒的です。
業務のデジタル化によって人件費や印刷代などのコストを抑えられるため、生産性や事業成長の飛躍的な向上を期待できます。
多くの海外企業では、バックオフィス業務は従来の立ち位置とは異なり、企業の生産性を向上させるためのサポートとして、「ミドルオフィス化」が期待されているのが現状です。
一方、日本では、営業やマーケティングをサポートする業務との認識が根強いものの、バックオフィス業務がなければ企業の経営は成り立ちません。
実際に、時価総額トップ50社中、日本企業は1社しか入っていません。
以上からもわかるように、海外ではバックオフィス業務のDXが断然進んでいますが、日本はDXが遅れているといえるでしょう。
今後、日本企業がこのようなグローバルな競争に勝ち抜くためには、フロントオフィスとバックオフィスが連携し、生産性を向上させることが重要です。企業全体で、DXのための環境を整える必要があります。
なお、バックオフィス業務を効率化させること自体は、本来の企業経営の目的ではないということに注意しなければなりません。
例えば、経理業務なら、経理業務を通じて企業価値を拡大するために貢献していくことが目的となるでしょう。
企業経営の目的を果たすために重要なのがDXであり、会社でDXを達成するためにはバックオフィス業務の効率化が欠かせないのです。
(4)バックオフィス業務を効率化!DXを実現させるための2つの方法
バックオフィス業務効率化の方法としては、次の2つの方法があります。
①クラウドサービス
バックオフィス業務を効率化させるための方法としてまず挙げられるのは、クラウドサービスです。
クラウドサービスとは、インターネット上に存在しているソフトを通じて、情報を保管したり社内外からアクセスして使用したりできるサービスをいいます。
パソコンやタブレットとインターネット環境があれば、いつでもどこでもクラウドサービスを利用可能です。
例えば、経理業務のクラウドサービスには、請求書や見積書の作成から発行、発送までを行えるサービスがあります。
銀行口座やクレジットカードを連携させると、自動で入出金や使用履歴を読み取ることもできる機能も存在します。
クラウドサービスの機能を活用すれば、経理業務の効率アップを目指せるでしょう。
②アウトソーシング
バックオフィス業務効率化のためのもう一つの方法は、アウトソーシングです。
アウトソーシングは「外部委託」のことで、社外から業務を行ってくれるスタッフやサービスの導入を意味します。
経理や法務、人事などの専門知識が必要になる業務でも、アウトソーシングを利用することでコストを抑えながら業務を任せられます。
総務や秘書、ECサイト運営のような会社ごとに業務内容が異なるような職種でも、アウトソーシングを利用すれば、幅広い選択肢の中から会社に合ったものを選ぶことが可能です。
4、バックオフィス業務を効率化させるサービス
この項目では、バックオフィス業務を効率化させるための具体的なサービスを紹介します。
(1)経理
経理業務では、デジタル化によって業務効率が飛躍的に向上するでしょう。
グローバル化している現代において、以前より複雑な経理業務が増えていることは間違いありません。
以下で紹介しているサービスは、複雑な経理業務を効率化させることはもちろん、経理業務による会社経営への貢献が期待できます。
①会計
- クラウド会計freee(freee株式会社)
- 弥生会計オンライン(弥生株式会社)
- マネーフォワードクラウド会計Plus(株式会社マネーフォワード)
- 会計王(ソリマチ株式会社)
- MJSかんたん!法人会計(株式会社ミクロ)
②経費精算
- クラウド会計freee(freee株式会社)
- マネーフォワードクラウド経費(株式会社マネーフォワード)
- 楽々精算(株式会社ラクス)
- ハイ!経費(株式会社バルテック)
- Dr.経費精算(株式会社BearTail)
- Concur Expense(株式会社コンカー)
③請求書発行
- クラウド会計freee(freee株式会社)
- マネーフォワードクラウド請求書(株式会社マネーフォワード)
- BtoBプラットフォーム請求書(株式会社インフォマート)
- Misoca(株式会社Misoca)
- 楽々明細(株式会社ラクス)
- board(ヴェルク株式会社)
- 請求管理ロボ(株式会社ROBOT PAYMENT)
④決済代行
- Paid(株式会社ラクーンフィナンシャル)
- NP掛け払い(株式会社ネットプロテクションズ)
- PortiaPAY(株式会社portia)
- Visa Business Pay(ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社)
⑤年末調整
- 人事労務freee
- SmartHR
年末調整の電子化については、「年末調整を電子化して効率化するおすすめクラウドツール2選!」で詳細に解説しておりますので、あわせてご確認ください。
(2)人事
人事業務についても、バックオフィス業務効率化によってさまざまなメリットが挙げられます。
勤怠管理なら、これまでは、タイムカードやエクセルなどに勤怠状況を入力する方式が一般的でしたが、集計に時間と手間がかかり効率が悪いものでした。
クラウドサービスを利用した勤怠管理を導入すれば、集計の時間が省けるだけではありません。
打刻漏れの修正が簡単になったり、フレキシブルな勤務体制での勤怠管理に対応できたりするのです。
他にも、給与計算や人材管理、社会保険・労働保険手続などの業務を効率化させる下記のようなサービスがあります。
①給与計算
- マネーフォワードクラウド給与(株式会社マネーフォワード)
- 人事労務freee(Freee株式会社)
- ジョブカン給与計算(株式会社Donuts)
- 給与奉行10(株式会社オービックビジネスコンサルタント)
- フリーウェイ給与計算(株式会社フリーウェイジャパン)
②勤怠管理
- jinjer勤怠(株式会社ネオキャリア)
- ジョブカン勤怠管理(株式会社Donuts)
- IEYASU(IEYASU株式会社)
③人材管理
- huubHR(株式会社ヒューマンテクノロジーズ)
- MINAGINE 人事評価システム(株式会社ミナジン)
- ESI(株式会社ワン・オー・ワン)
④社会保険・労働保険手続
- SmartHR(株式会社SmartHR)
- jinjer労務(株式会社ネオキャリア)
- オフィスステーション(株式会社エフアンドエム)
(3)法務
法務のデジタル化による効率化は「リーガル・テック」とも呼ばれており、知っている方も多いのではないでしょうか。
法務の効率化サービスとして、AIによる契約書レビューや電子契約、特許や判例などを素早く検索できるといったシステムがあります。
具体的には、次のような法務関係のクラウドサービスです。
- CloudSign(株式会社Too)
- RICOH Contract Workflow Service(株式会社リコー)
- Hubble(株式会社Hubble)
5、経理のバックオフィス業務を税理士に依頼して効率化するメリット
経理や会計のバックオフィス業務には、経理会計の専門知識が必要な業務が多く存在します。
記帳代行や給与計算、年末調整などのバックオフィス業務は、税理士に依頼して業務を行ってもらうことも一つの方法です。
税理士に経理のバックオフィス業務を頼むメリットには、次のようなものが挙げられます。
(1)経理会計のプロだからこそのアドバイスを期待できる
経理会計業務は、直接クライアントとやりとりする機会が少ないものの、会社経営のためには必要不可欠な業務です。
経理会計のプロである税理士だからこそ、経理会計業務の代行としてだけでなく、会社経営に有利な情報やアドバイスをしてもらえることが期待できます。
(2)データ入力を素早く丁寧に行ってくれる
従業員数が少ない中小企業の中には、「経理会計以外の業務にも追われていて経理会計のデータ入力に手が回らない……」と頭を抱えている企業も多いのではないでしょうか。
税理士に経理業務を任せてしまえば、会社での業務負担が減るため、そのような問題は解決できるでしょう。
(3)経理担当者を新たに雇用するよりコストを抑えられる
新たに経理担当者を雇うとなると、人件費の負担が大きくなってしまいます。
税理士に経理会計のバックオフィス業務を一任することで、人件費のコスト削減も可能です。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は、バックオフィス業務の効率化について解説しました。
バックオフィス業務は、営業やマーケティングなどのフロントオフィス業務のように、企業の売上げに直結するものではありません。
しかし、どのバックオフィス業務も会社経営には必要不可欠な存在で、一つでも欠けてしまったら経営が成り立たなくなってしまいます。
DXを実現させるためには、バックオフィス業務を効率化させ、フロントオフィス業務と連携して事業成長を目指すことが重要です。
この記事を参考に、上手に社内へバックオフィス業務効率化のツールを導入し、企業の業績アップを目指してくださいね。
税理士にご相談頂いた方がよい可能性があります。
初回のご相談は無料ですので
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