クラウドファンディングのやり方まとめ~成功するコツを4つ添えて~

昨今、クラウドファンディングという言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。
加えて、「興味はあるけど、自分には関係のないことかな?」というような印象を持っている方も多いと思います。
しかし、中小企業や個人の方など大資本ではないからこそ、活用することで大きく飛躍できる可能性を秘めているのがクラウドファンディングです。
この記事では、
- クラウドファンディングとは
- クラウドファンディングのやり方と資金調達の流れ
- クラウドファンディングを成功させるコツ
について、解説していきます。
この記事を読んで、クラウドファンディングの知識を得るだけでなく、クラウドファンディングを資金調達手段の一つとして考えてみてはどうでしょうか?
自身のビジネスに活用できないかという視点で、ぜひ最後まで見ていただければと思います。
なお、クラウドファンディングの他にも、さまざまな資金調達方法があります。
代表的な資金調達方法として挙げられるのが、「銀行融資」です。
銀行融資については、「銀行融資を高額・低金利・早く受けるための7つのポイント」で詳しく解説しています。
また、銀行融資のなかでも保証の付かない「プロパー融資」について、「プロパー融資とは?審査通過のために知りたい6つのこと」で解説していますので、ぜひあわせてご確認ください。
税理士にご相談頂いた方がよい可能性があります。
お気軽にべリーベスト税理士事務所までお問い合わせください。
1、クラウドファンディングのやり方を知る前に|クラウドファンディングとは
(1)クラウドファンディングとは
①クラウドファンディングの概要
クラウド(群衆)、ファンディング(資金調達)を合わせた造語です。
その定義は、以下のとおりです。
- インターネットを利用して
- 自身の事業、活動、解決したい社会課題などを発信し
- その発信に共感した人や、応援したいと思ってくれる不特定多数の人から
- 資金提供という形で支援を募る
上記の要素を持った仕組みが、クラウドファンディングです。
②クラウドファンディングの仕組み
クラウドファンディングの具体的な仕組みは、大きく分けて2つのものがあります。
資金調達を希望するプロジェクトの起案者がどちらかを選択できます。
―All or Nothing型
あらかじめ募集期間と調達目標金額を設定し、実際に資金提供を受けられた金額が目標金額を超えた場合、プロジェクトおよび資金調達が成立するという仕組みです。
もしその期間内に目標金額に届かなかった場合は、プロジェクトは不成立となり、集まった資金は支援者に返金されます。
プロジェクトの実現には目標金額の資金調達が必須の場合、All or Nothing型の方法を選択します。
―All In型
目標金額を達成していない場合でも、支援者がいればプロジェクトとして成立する仕組みです。
その代わり、プロジェクトを必ず実施する必要があります。
媒体によっては、「実行確約型」と呼ばれます。
(2)クラウドファンディングの種類
クラウドファンディングの種類には、大きく分けて「投資型」と「被投資型」があります。
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
①投資型
投資型のクラウドファンディングは、さらに次の3種類に分けられます。
- 融資型
- ファンド型
- 株式投資型
―融資型
資産運用をしたい複数の個人から資金を募り、クラウドファンディング事業者が仲介に入り、大きくまとめて借り手である起案者に融資する仕組みです。
別名「ソーシャルレンディング」とも呼ばれ、起案者は支援者に対して利息分を上乗せして返済することになります。
―ファンド型
ビジネスに対して出資を募り、売上や利益などのビジネスの成果に応じて支援者に還元をする仕組みです。
金銭的な還元だけでなく、そのビジネスで生まれた商品やサービスを割引して提供することもあります。
―株式投資型
株式を支援者に提供する形で資金調達をおこなう方法です。
そのため、この方法は法人でなければ選択することができません。
非上場であっても株式投資対象として、資金調達を受けられるという仕組みです。
②非投資型
被投資型のクラウドファンディングには、次の2つの種類があります。
- 購入型
- 寄付型
―購入型
現在、最もポピュラーなクラウドファンディングの仕組みです。
支援者が、まだ市場に出回っていない希少価値のある商品やサービスと交換に、支援をしまます。
起案者は、商品やサービスを提供するため、金銭的なリターンを支援者におこなう必要がありません。
―寄付型
その名の通り、寄付という形で資金を募る仕組みです。
基本的に商品、サービス、金銭などのリターンは不要です。
社会貢献の色が強いプロジェクトが、この仕組みを選択する傾向にあります。
③その他
―ふるさと納税型
自治体が起案者となるクラウドファンディングです。
その地域の課題をプロジェクトという形で具体化し、そのプロジェクトに対してふるさと納税という形で支援を募ります。
支援者は、ふるさと納税と同様の寄付金控除を受けることができます。
(3)クラウドファンディングのメリット・デメリット
①メリット
―従来の方法では資金調達できなかったものでも、資金調達が可能に
中小企業や個人事業であれば、資金調達の手段は金融機関等からの融資が一般的です。
新規事業で金融機関から融資を受ける場合は、事業の確実性が重視される傾向にあります。
その点をクリアしなければ、資金調達が難しいです。
クラウドファンディングの場合、支援者から共感を得られたり、支持を得られれば、資金調達を受けられる可能性があります。
―テストマーケティングとして活用できる
本格的にビジネスをスタートさせ、市場に商品やサービスを売り出す前に、クラウドファンディングで反応を検証することができます。
うまく支援が得られなくてもリスクを低く抑えることができ、検証結果を活かしてビジネスを再構築できます。
―多くの人に知ってもらえる
クラウドファンディングという形でビジネスをスタートさせることで、支援をしたいと思っている多くの人にビジネスを見てもらうことができます。
プラットフォームにプロジェクトを掲載するだけでも、宣伝効果を得ることができるでしょう。
②デメリット
―All or Nothing型の募集に失敗した場合のリスク
目標金額に届かなかった場合、プロジェクトは不成立となり支援されたお金は支援者に全額返金されます。
そのプロジェクトのために準備してきた時間、労力などが無駄になる可能性があります。
適切で見込みのある目標金額を設定をすることが重要です。
―プロジェクトの実行がとん挫した場合のリスク
起案者は、そのプロジェクトに対して責任が発生します。
スケジュールの遅延や、商品開発の不備など、プロジェクトがとん挫した場合の責任はすべて発案者が負うことになります。
資金提供を受ける前に、計画と実行可能性を確実なものにしておかなければなりません。
―アイデアが盗まれる可能性がある
アイデアが広く公開されるため、宣伝広告効果もある一方で、そのアイデア自体を盗用されるリスクがあります。
2、クラウドファンディングのやり方
本章では、クラウドファンディングのやり方について、具体的な流れの解説とプラットフォームを紹介します。
(1)クラウドファンディングのやり方と資金調達の流れ
①プラットフォームを選ぶ
まずは、プラットフォームであるクラウドファンディング事業者を選定します。
主なプラットフォームは後述します。
②アカウントの作成
選択したプラットフォームで個人情報等を登録し、アカウントを作成します。
③プロジェクトページの作成
どのようなアイデアで資金調達をおこなうのか、そのプロジェクトの概要や目標金額などを設定します。
プラットフォームによっては、事業者に相談しながら作成することも可能性です。
④プロジェクトページの審査
プロジェクトの規模や内容によっては審査内容がことなりますが、プロジェクトの妥当性や悪質なものでないかなどの審査を受けます。
⑤審査結果の通知
審査結果が通知されます。
審査に通過すると、募集開始です。
⑥クラウドファンディングの募集開始
プロジェクトを公開し、支援金を募ります。
ブログなどのSNSを活用することで、より多くの人に告知することが可能です。
⑦募集終了
プロジェクトが成立すれば、支援金をこのタイミングで受け取ることができます。
支援者へのお礼や、活動の準備にとりかかります。
⑧プロジェクトの実施
支援金を利用し、プロジェクトを進めていきます。
支援者への活動報告をすることで、支援者に安心感を与えることが可能です。
⑨リターンの実施
プロジェクトが順調に進んでいけば、支援者へのリターンも随時おこなうようにします。
(2)クラウドファンディングのプラットフォーム3選
①CAMPFIRE
国内最大級のプラットフォームで、支援総額は390億円を超えています。(2021年2月28日現在)
プロジェクトのジャンルを幅広く取り扱っている、審査が早い、方法も幅広く選択できるなどの特徴があります。
クラウドファンディング – CAMPFIRE (キャンプファイヤー)
②Makuake
支援者の属性を分析できる、特許を取得した市場分析ツールを持っていることが強みです。
また、イベント系や商品開発系のジャンルに強いという特徴もあります。
③READYFOR
日本のクラウドファンディング事業のパイオニアです。
手数料が業界内で特に安く、社会貢献度の高いプロジェクトが多いことも特徴的です。
クラウドファンディング – READYFOR (レディーフォー)
3、クラウドファンディングを成功させるコツ
(1)クラウドファンディングのプロジェクトページの内容を充実させる
①安心感、信頼感を与える
プロジェクトの内容も重要ですが、「誰が何をなぜおこなうのか」という点について明確にすることで、信頼感や安心感を与えることができます。
起案者の詳しいプロフィールや、プロジェクトを起こす動機などを盛り込むと良いでしょう。
可能であれば、プロジェクトメンバーの顔写真などを載せるとより効果的です。
②「おもしろそう」、「実現してほしい」と思わせる
プロジェクトを実行することで、何が実現できるのかを明確に伝えます。
プロジェクトの伝え方として有効なのは、ストーリー性を持たせて伝えるという方法です。
なぜそのプロジェクトをおこなうのかなど、きっかけや経緯からプロジェクトを伝えることで、興味や関心を持ってもらいやすくなります。
結果的に、支援まで行ってもらえる確率があがります。
③プロジェクトについての情報に不足がないようにする
プロジェクトに具体性を持たせることで、安心感、信頼感が高まります。
プロジェクトの内容をすべて言語化して伝えることで、情報の不足をなくすことができます。
(2)クラウドファンディングのリターンの内容を念入りに考える
①特別感のあるリターン
多くの支援者は、特別なリターンを期待して資金提供をしています。
つまり、リターンが魅力的でなければ、支援を受けられる可能性が低くなるといえます。
まだ世に出回っていない商品やサービスなどで、支援者が喜ぶものをリターンとして提供しましょう。
先行者利益という特別感を与えることができるため、それ自体が魅力的なものになり得ます。
②出資額に応じてリターンを変える
出資額を何段階かに階層化し、支援額の大きさに応じたリターンを設定することも効果的です。
より多くの支援者のニーズにマッチする可能性が高まります。
(3)事前に知り合いなどにクラウドファンディングへの出資を呼びかけておく
クラウドファンディングは、プロジェクトの立ち上げ当初の支援額が、プロジェクト全体の成否に大きく影響します。
立ち上がりが良ければ、それだけ魅力的なプロジェクトであると周りの人が認識するからです。
そのようなスタートダッシュを決めるために、事前に知人・友人など信頼できる人に支援を呼び掛けておきましょう。
(4)SNSでクラウドファンディングの宣伝をしておく
SNSは拡散性が高いため、広くプロジェクトを認知させる効果が期待できます。
積極的に活用しましょう。
4、クラウドファンディングのやり方などで悩んだら税理士に相談しよう!
ここまでの解説で、クラウドファンディングの魅力や、ハードルがそこまで高くないことを認識していただけたかと思います。
しかし、クラウドファンディングに挑戦するのには、まだ不安な面もあるはずです。
もしうまくいったとしても、調達したお金の処理や、税務面の処理も気になるところです。
そんな不安がある場合は、税理士に相談してみてはいかがでしょうか。
(1) クラウドファンディングに関わる会計と税務のサポート
クラウドファンディングは、調達方法によって会計処理や税務上の取り扱いが異なってくるために、専門家のアドバイスは必須です。
安心してクラウドファンディングを利用するために、税理士のサポートを受けるようにしましょう。
(2)資金調達支援の一環としてのクラウドファンディングのサポート
税理士は、あらゆる資金調達に精通しています。
クラウドファンディングの会計、税務処理だけでなく、そのプロジェクト自体の成否にも税理士は貢献できるはずです。
まとめ
クラウドファンディングの市場は、これからもまだまだ加速していくと思われます。
旧来通りの、金融機関からの融資だけでなく、新たな資金調達の選択肢として、もっとスタンダードになるでしょう。
同時に、会計処理や税制面の整備もこれからさらに進んでくるはずです。
税理士の支援を受けながらクラウドファンディングに取り組むことで、環境の変化に柔軟に対応することができるでしょう。
一度相談してみることをおすすめします。
税理士にご相談頂いた方がよい可能性があります。
初回のご相談は無料ですので
お気軽にべリーベスト税理士事務所までお問い合わせください。
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